平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第5話

平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第5話

第5話「とらがいいの」

 2005年7月。梨奈の誕生日が来る。

 梨奈に誕生日何がいいかって聞いたら……。

「誕生日はとらがいいの」

 って言われちまった。すげえドキドキした。

「ほんとうにプレゼントは俺でいいの?」

「うん。とらがいいの」

 でも、詳しく聞いたら、俺が思ったやつじゃあないらしい。

「肉体関係じゃなくて、とらとの時間が欲しいの」

 “肉体関係”って……はあ、結んでみたかったけど中学生にはまだ早いってか?……なんて思ってると、

「運命の赤い糸、あればいいな」

 って言って、俺たちの小指を赤い糸で結んじまった。

 赤い糸ってほんとにあんのか知らねぇけど、本気で信じてるのなんかかわいくね?

 2005年7月17日、梨奈の誕生日。この日は俺の近所で祭りがあって梨奈と行くことになった。

 屋台でかき氷買って、2人でシェアすることにした。

「はい、あーん」

「ん、うめぇ」

 ひと通り屋台を見たり、一緒に花火を見たりして、楽しい時間はあっという間に過ぎた。

「梨奈」

「ん?」

「こんなでいいの?誕生日」

「こんなんでいいの。とらと一緒にいられれば楽しいんだから」

 そう言って梨奈は微笑む。

(うわー、俺の彼女かわいい!!)

「あ、ひとつお願いしてもいい?」

「なんだよ?」

「2人で海に行きたいな」

「海?」

「うん。どこの海でもいいから、とらと2人きりで海に行きたい」

 というわけで次の日学校サボって俺たちは海に繰り出した。

 バイクで行こうとしたら、ソッコー梨奈に怒られた。

「さすがに中学の制服でバイクはまずいでしょ?!電車で行こう、電車で」

 俺は金持ってないから梨奈の金で電車に乗ることに……なんか、ダサくね俺?

 2時間かけて着いた海はサーフィンしにきたおっさんでいっぱいだった。

 それでも梨奈は俺と来れて幸せそうにしてた。

「とら、大好きだよ」

 梨奈が後ろから抱きつく。

「俺も大好き」

 梨奈のあったかくて柔らかい胸が背中に当たってちょっと恥ずかしい。

「梨奈、こんなんでよかったのか?」

「こんなんでいいから楽しんでるんでしょ?」

「そっか」

 それから梨奈の親が帰って来るまでに家に送った。手を繋いで帰ったことは言うまでもねぇな。

平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第5話

平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第5話

東京リベンジャーズの羽宮一虎くんに彼女がいたら……彼はどんな人生になるのでしょうか? 羽宮一虎激推しのかぐらが綴る、初の二次創作です。

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更新日
登録日
2023-09-06

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