宝石

青い宝石を割ってから

意識がずっと濃くなった

誰のものかも分からないけど

少し前からここにあった

夏を終わらせるために春を行う

僕に春はわからないけど

僕は春よりもバランスが悪い

春の本を丁寧に読む

夏が薄れて息が苦しい

上手に笑えないけれど

夏はとても大事なままで

毎日泣いていたら夏が終わった

夏が終わったのに季節が来ない

夏はずっとこちらを見ている

僕も夏の話ばかりしている

春に向かって詩を書いている

向かえるようになって良かった

もう会えない人が増えるなら

季節はよっつも来ないで欲しい

青い宝石は消えていった

誰かがうみべで拾った宝石

理由はわからなくてもいい

思い出す前に眠れるといい

宝石

宝石

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-08-27

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