部屋

幾許かの歔欷は 物干し竿に見下され ヘアアイロンが絡みつく

不寛容な愛情は おれを心の底から嘲笑っている

そのくせ おまえがなぜ笑わない

おれがどれだけ俺の事を興がっているのか

熱演の果て 崩壊する倫理 目下の走馬灯が 現実であることすらも理解している

思い入れなどなかった 現物のことしか信じていない

現物には全て呪いがかけられており それに執着し過ぎるがあまり

記憶は薄く 走馬灯もぼやけ いるはずの無い胎児がこちらを見ている

思い起こせばおしまい 脳を殺し 次第に全てが消えゆくまで

部屋

部屋

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-08-27

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted