MINA

綾瀬ミナは言う。
「万人に見下されながら生きていくのが私の人生のオチだ」と。
某毅(それがしたけし)は言う。
「自分らしく生きていくのが本当に幸福な人生だ」と。
皆川和希は言う。
「自分を犠牲にしつづけることが美徳であり、最も良い人生だ」と。

三人は自分の言いたいことだけを言って去っていく。
しばらくした後、また三人は帰ってくる。
誰の言葉も聞かず、言いたいことだけを言って、誰の言葉も待たず、また去っていく。
そうして年老いた三人は初めて対面する。

綾瀬ミナは言う。
「最期がさみしくなったからって私は仲良しごっこなんてしないよ」
皆川和希は言う。
「ただのつよがりではなかった。これは私のプライドだった」
某毅は言う。
「もう思い出せないかと、怖かった。時間はかかったが思い出せてよかった」

それ以降、三人がここに集うことはなくなった。

MINA

MINA

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-08-15

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