異世界ワープ

⚠️20歳未満の方の閲覧は固くお断りしております⚠️

暴力的、差別的、性的などの不愉快になる表現が多分に含まれておりますので気分を害される方は全年齢版をお勧めします
また、当作品により精神に影響があった場合でも責任は取りかねますので予めご了承ください

第1章

ざわざわと落ち着きのない教室内。あっちやこっちや幾人かが集まって話をしているが、どこも大盛り上がりでどの子たちも何かの予定を立てているようだった
そんな中、ガラガラとドアが開く音がして誰かの「あっ、先生だ」という声。「先生」という単語で慌ただしく自分の席に着く子たち
入って来たのは大きなメガネがチャームポイントの可愛らしい担任教師で、教卓につくと愛想の良い笑みを浮かべて教室内を見回した

「明日から楽しい楽しい夏休みです!
みなさんにとっては小学校最後の夏休みなので、たくさん思い出を作ってきてください!」

みんなは「はーい!!!」と耳が痛くなるくらいの大声で返事をする。その声の大きさに先生は嬉しそうにニコニコと頷いて、夏休み中の注意事項などの説明をする

「それでは、1ヶ月後またこうやって元気な姿で会いましょう!」

それで話は締めて「さようなら」と帰りの挨拶。みんな、どんな夏休みを送るのだろうかと、はしゃぐ子供たちを見送った



* * *



真っ青な空とふわふわの雲、生暖かい風が吹いてきて夏の匂いがする
いつもは重いランドセルだけど今日は軽いバッグでいいから思わずスキップ。スキップ
あたしが跳ねるとバッグに付けたチャームが揺れて一緒にスキップしてるみたい
ふふ〜ん♪と鼻歌までうたっちゃうのは明日から夏休みだから!
何しようかな。家に着いたらまずお昼ご飯たべて
今日いい天気だし公園であそぼ!
宿題は配られたときにちょっとやったから今日はやんなくていいし〜
あ! もうすぐ曲がり角だ
でも今日は曲がり角の手前にバイクが停めてある
郵便屋さんかな?
バイクが近くなってきて、あたしはスキップを調整して、思いっきりジャンプ!!!
失敗!!!
思ったより跳べなかったみたいで靴の後ろが少しだけぬるぬるする

あーぁ...さいあくぅ〜

あたしの中で最大のジャンプだったのに靴に付いちゃうなんて
かかとを地面に擦り付けながら角を曲がったら...

え...

え ?

後ろを振り返った。 来た道がない...
もう一度前を見る
あたしはいつもの帰り道を歩いてたはずなのに知らない場所に居た
なんかゲームの世界にある街みたいな感じがする。商店街?なのかな、道に沿って八百屋さんとか魚屋さんのお店が並んでる

ここ...外国?

教科書で見たことあるかも。確か商店街っていうんじゃなくて...“いちば”って言うんだっけ
でもどうしよう英語分かんないし。てゆーか帰り道も分かんない

「おやどうしたんだい? 君、珍しい格好をしているけど観光かな?」

え...えっと...迷子っていうか

「迷子? 迷子なら衛兵団の人に...」

え、えーへい? それって兵士だよね。警察じゃないの?

「ケーサツ? なんだいそれは。それより迷子なんだよね。オジサンが衛兵団を探して来てあげるから待ってなさい」

あ、いえ大丈夫です!ありがとうございます!!

あたしはとにかくオジサンから距離を取るために走った
えーへいって何?! 警察って言ってもオジサンには通じなかったし...外国だからポリスって言わなきゃいけなかったのかな。でも...さっき日本語で喋ったけど通じてたよね...? じゃあここ日本? 家の近所じゃなさそうだけど
キョロキョロ見回してみたけどやっぱり知らないとこだ。今いるとこは広場みたい。色んな出店が並んでて...

あ! なにあれ、かっこいい!

真ん中にすごい大きなドラゴンがいる!ドラゴンの銅像? とにかくおっきい。もっと近くで見たいな。その前にスマホで写真撮っちゃお
スマホを出そうとしてたら出店のおばさんに話しかけられた

「お嬢ちゃん1人で観光?」

...うーんと、そうです(また迷子って言ったら兵士来ちゃうよね)

「 そうかい。――――様のお姿を拝めるといいねぇ」

え? 何? なに様って言った?

「知らないので来たのかい? この国はドラゴンのお姿をされた神様が護ってるんだよ」

ドラゴン?! ドラゴンって...まさかあの銅像になってるドラゴンが本当にいるってこと?!
すごいすごい! 見たい見たい!! ドラゴンは何処にいるの?

「何処にって...王城の奥だよ」

お城のとこに行けばいいんだ! ここから距離あるし走ったほうがいいよね
今日は運動靴だから走りやすくてラッキー
ドラゴン見たらケータイで写真撮って皆に自慢しちゃお♪
絶対いい写真撮るんだから

「ちょっと! 様のお姿を覗こうなんて無礼だよ!!
......あぁ、もう行っちまった......」


* * *


ドラ、ゴン。ドラ、ゴン
掛け声をかけながら走る。さっきの広場までけっこう走ったけどお城まで遠い!
もうすぐで着きそうな気がするのに大きいせいかまだまだかかりそう...
さすがに疲れたよ〜。ちょっと休みたいな


(奴隷市場へ連行。競りにかけられる)


【双子との出会い】

「「おとうさまぁ〜」」

「おかえりなさぁい」

「おかえりなさーい」

執事っぽい人が扉を開けると男の子と女の子が2人走ってきた
あたしより年下っぽい感じ
2人ともお人形さんみたいに可愛くて顔がソックリ! おじさんと一緒で耳もとんがってるし...双子なのかな

「ただいま可愛い我が子たち。今日はお前たちに土産を買ってきたんだ」

おじさんに腕を引っ張られ前に突き出される
痛い!なんでいちいち乱暴にするの?!

「いい遊び相手になるだろう。“世話係は十分いるから”好きにしなさい」

「「やったぁ!!!」」

何なの?! さっきからあたしのことモノみたいに...

「おとうさまぁ、これなんていうしゅぞくなの〜?」

「ぼくらこんなの見たことなーい」

双子は顔を見合わせてクスクス笑ってあたしを取り囲んだ
すっごい顔を見てきてなんかヤダ

「こぉ〜んな低い鼻、見たことなぁ〜い」

「ほんとほんとー」

キャハハハと交互にバカにした感じで言ってくる
あんた達みたいにツンと鼻がとんがってないのは、あたしが日本人だから仕方ないの!
って心の中で怒ってても口に出して言えない
言ったら追い出されちゃいそうだし

「私は仕事に行ってくる。


【双子のおもちゃ】
「人形(にんぎょぉ)ってぇ、ベッドでねるっけぇ?」
「ねなーい。ぼくそんな人形(にんぎょー)見たことなーい」
「じゃあ、人形(にんぎょぉ)はどこでねるのぉ?」
「エマ、いつも人形(にんぎょー)はあそこに入れてるじゃん!」
あそこってどこのこと?
大きなおもちゃ箱でもあるかと思ったけど、そんなのどこにも無いし
えっ、待ってどこに連れてこうとしてんの! はなして! はなしてってば!!
双子に両うでを引っぱられて小さな部屋に無理やり入れられた! すぐに出ようとしたけどドアを押さえつけられてるみたいで開かなかった
手が痛くなるまでたたいてみたけど全然開かない
こうなったら思いきって体当たり!!
その勢いのままはね返って尻もち

いてて...あ、開かない...

部屋の中は暗くてせまい。大きなぬいぐるみとか乗り物のおもちゃがたくさん置いてある。ここがおもちゃをしまう場所なんだ。あたし人形だからここにしまわれたんだ。人形だからって何も食べさせてもらえなかったしお腹すいた
お昼ご飯も食べてないし...明日になったらご飯食べられるかな...このままずっと閉じ込められるのかな...
お母さん心配してるかな

.......

..........

..........................



(王国のパレード準備中...双子がイタズラ)

異世界ワープ

異世界ワープ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2023-07-22

CC BY-NC-ND
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