景勝教育骨子

「景勝教育骨子」    令5・7


・・・備考・・・
※すべてのアンケートやアンケート投票に於ては教員に対してを除いて完全匿名制とし、多数決に於ても可能な限り目隠しでの挙手や賛否入力制、匿名筆記制などを用いて教員に対してを除いて完全匿名制とすることが望ましい
※配色に関するあらゆる色は景勝府の定める基準に基いて全国共通の特有の数字番号があてられて居なければならず、選択肢としての色はすべて便宜的にその各特有の数字番号で呼称されても構わないが、一つ一つの色の正式な名や俗称などについてその都度可能な限り充分な周知教育がなされるべし
※景勝教育に於ける各学習は基本的に学級ごとに同時的に行うべし また基本的に教室を共にする各組ごとに行うこととするが、可能であれば異なる組同士による合同又は学級全体又は異なる学級同士による合同を以て行うこともできる
※景勝教育に於ける各学習は特に定めのない限り各教室内又は各学校内で行われるものとする



・・・学校配色①・・・
※すべての学校は五学期経過するごとにその学校の全体配色(全校配色)を決め、更新する
※全校配色は廊下通路と各教室に該当しないその学校のすべての配色可能なものの配色のことを謂う
❶全校配色はその学校の全生徒に対するアンケート投票で決定する
・アンケート投票に於ては景勝府が指定した景勝指定色を選択肢とし、生徒は各一人につき最大十の色を順位づけて回答する 各一人が一位回答した色はその一回答ごとに二点を獲得し、その他二位以下の色はそれぞれその各一回答ごとに一点を獲得する
・同数の色はある場合はその学校の校長が多数を決定する
❷全校配色アンケートに於て最も得票の多かった色をその学校の基調配色とし、次いで得票の多かった色を準基調配色とする
・基調配色は準基調配色の配色対象でないすべてのものの配色とする
・準基調配色は棚類、照明類、その他配置物や小物類の内、配色可能なものの配色とする


・・・学校配色②
※毎学期のはじめに廊下通路の配色を決める
※廊下通路の配色の対象は天井類、壁類、床類、枠類、棚類、照明類、その他配置物や小物類の内、配色可能なものとする
※廊下通路の配色は一色もしくは二色の何れかのみで決定され行われるべし
❶配色を決めるべき廊下通路に接するすべての教室の全生徒の全体多数決を行いその廊下通路の配色を一色もしくは二色の何れにすべきか決定する(※1同数の場合はそのすべての教室の教員の代表が多数を決定する)
❷廊下通路の配色を一色と決定したときはその一色について明るい色もしくは暗い色もしくはその他の色(何れも景勝府が指定したもの、配色趣向)の何れとするのかについて全体多数決を行い決定し、二択が同数であるときは決選投票としての多数決を行う(※1)
・三択が同数であるときは※1による
❸廊下通路の配色を二色と決定したときは、その二色とも何れかの同じ配色趣向とするか、一色づつ別々の配色趣向とするかを全体多数決を行い決定する(※1)
・一色づつ別々にすると決定したときは全体多数決を行い、各一人は三択の配色趣向の内二択を選びその表意とする(※1)
❹廊下通路の配色を一色を決定しその配色趣向を決定したときはその配色趣向の中のすべての色を一選択肢として全体多数決を行い、それに於て一位となった色がその廊下通路の配色として正式決定する 同数一位がある場合は※1による
❺廊下通路の配色を二色と決定しその何れの色の配色趣向も決定したときはその両方の配色趣向の中の色の決定についての全体多数決を❹を準用してそれぞれ行う
❻廊下通路の配色を二色とする場合、天井類と壁類と床類は、また枠類と棚類と照明類とその他配置物や小物類はそれぞれ同一の配色が行われる必要がある


・・・学校配色③
※毎学期のはじめに配色が決定した廊下に接する教室は、同時的に各その教室に於ける配色を決める
※教室の配色の対象は天井類、壁類、床類、枠類、棚類、照明類、映像装置類、その他配置物や小物類の内、配色可能なものとする
※教室の配色は一色もしくは二色もしくは三色の何れかのみで決定され行われるべし
❶その教室の全生徒で、その教室の配色を一色もしくは二色もしくは三色の何れにするかを多数決で決める
・何れか二択が同数となったときはその二択についての決選投票としての多数決を行う(※2同数の場合は教員が多数を決定する) 三択とも同数となったときは一色もしくは複数色(二色か三色)を二択とする多数決を行い(※2)、複数色が多数となったときは二色もしくは三色を二択とする多数決を行う(※2)
❷教室の配色を一色と決定したときはその一色の配色趣向についてその教室の全生徒の多数決を行い決定し、二択が同数であるときは決選投票としての多数決を行う(※2)
・三択が同数であるときは明るい色と暗い色を二択とした決選投票としての多数決を行う(※2)
❸教室の配色を二色と決定したときは、その二色とも何れかの同じ配色趣向とするか、一色づつ別々の配色趣向とするかをその教室の全生徒の多数決で決定する(※2)
・一色づつ別々にすると決定したときはその教室の全生徒で多数決を行い、各一人は三択の配色趣向の内二択を選びその表意とする(※2)
❹教室の配色を一色と決定しその配色趣向を決定したときはその配色趣向の中のすべての色を一選択肢としてその教室の全生徒で各一人が十票を有する投票を行う 各一票はその自らの他の一票に重複しない一色のみに投じることができる その自らの十票すべてを投じたわけではない生徒が居たときは教員とその生徒はその事実を共有すべし
・投票に於て一位となった色がその教室の配色として正式決定するが、二位以下との差が僅差であるとして教員が判断したときはその判断に基いて必要な決選投票を行うことができる その決戦投票に於ける手順や各一人の投票可能票数などは教員がすべて決するところによる
❺教室の配色を二色と決定しその何れの色の配色趣向も決定したときはその両方の配色趣向の中の色の決定についての投票を❹を準用してそれぞれ行う
❻教室の配色を二色及び三色と決定し❺までを終えた場合は、その教室の配色対象物の種類ごとに同一の配色を行うか、配色対象物の種類を問わず配色を行うかを選択肢としてその教室の全生徒で多数決を行う(※2)
❼教室の配色対象物の種類ごとに同一の配色を行うと決定したときは、どの配色対象物の種類に当該二色または三色の内どの色を配色するかについてのアンケート投票をその教室の全生徒を対象に実施する 種類は天井類、壁類、床類、枠類、棚類、照明類、映像装置類、その他配置物や小物類の八種にそれぞれ分けられる
・アンケート投票に於て各対象生徒は七各種のどの種類に当該二色または三色の内のどの色を配色すべきかを種類ごとに回答明記する
・その教室の配色が二色の場合は何れの色も三種類以上に配色されなければならない 三色の場合は何れの色も二種類以上に配色されねばならない
・その教室に存在しない或は以後もその豫定の種類についても当然にアンケート投票の回答選択肢とされ、後にその教室に新たに存在することになったその種類の対象物にはそのアンケート投票結果に基いた配色を行う その種類の配色についてなされた変更があったときも同様とする
❽各その教室の生徒は当該学期の最初の教室配色決定後五カ月経過した最初の十日間内に於て教員に❶もしくは❷❸もしくは❹❺もしくは❻❼の手順からその教室の配色について再考してほしいとする要望を連帯して共同で提出することができる 但し要望は各教室ごとに一学期につき一回までとする
・要望にはその教室の全生徒の三分の一以上が参加して居なければならない 要望は再考をどの手順から始めてほしいかということ、またその参加者たるすべての生徒がその要望に参加して居ることが教員から確認できる状態のものでなければならない また教員は参加者たるすべての生徒自身からその要望参加事実について直接確認できなければその要望を認めてはならない
・要望を受け認めた教員はその教室の全生徒(当該要望参加者を除く)で多数決を行う(※2)
要望が多数決で可決されたときはその要望に基いて再考が行われる


・・・色感調査・・・
❶三学期に一度、全校生徒を対象としてすべての景勝指定色についての各個人の感想評価を問うアンケートを実施する
・アンケートでは生徒各一人は成るべくすべての景勝指定色について①美しい色、素晴らしい色②美しい色もしくは素晴らしい色だが、条件によっては然うではなくなる色③普通の色、何も感じない④美しい色もしくは素晴らしい色ではないが、条件によっては然うではなくなる色⑤美しくない色、素晴らしくない色の五つを回答選択肢としてその中から一つにしぼり回答する
・またアンケートではその生徒自身が各色について、選択肢中の他の色と区別がつかないとする意見を回答できるような欄類が一つ一つすべての色の回答欄に附属されて居なければならない その欄類に他の色と区別がつかないとする趣旨の回答をした生徒はその色について前述の五つの回答選択肢を選択肢とした回答を行わなくても構わない
❷アンケート結果はすべての回答選択肢に関して各その最も得票数の多かった色を代表的に取り上げる形で主に発表され、各回答選択肢の詳細順位は次いで適当な形式を以て次の当該アンケート実施までの三年間を最大として公表され続ける
❸教員はアンケート結果に於て他の色と区別がつかないとする意見の回答がなされた事実と人数とそれらの回答者を把握認識し、その回答者らと配色に関する他の決定事などに於てに関しての必要な協議や連携を充実させなければならない


・・・素晴らしい景色をつくる①・・・
※積木を用いることとし、用いられる形は大きな正方形(イ1)小さな正方形(イ2)、長く細い長方形(ロ1)、長く太い長方形(ロ2)、短く細い長方形(ロ3)、長く細い長方形(ロ4)、薄く立体的な正三角形(ハ1)、厚く立体的な正三角形(ハ2)、薄い様々な形の立体的な二等辺三角形(ニ1)、厚い様々な形の立体的な二等辺三角形(ニ2)、長く細い円柱(ホ1)、長く太い円柱(ホ2)、短く細い円柱(ホ3)、長く細い円柱(ホ4)、大きな球体(ヘ1)、小さな球体(ヘ2)の様々な形の平面体とする
これら各形の詳細な寸法は景勝府が指定する基準に沿うものとする
※必要なときは積木を接着手段(接着剤など液状やそれに類するものは使用しない)を以て固定しておくべし
※各学習は可能な限りその自教室以外の屋内場所その他適切な場所で行われるべし
※すべて作品は第一に画像映像として記録され、また可能であれば積木の詳細な配置図情報なども電磁的媒体などを駆使してすべて記録されるべし それら充分な記録がなされ何時でも復元可能な状態を整理し、一旦作品として完成された状態の積木を解体しても支障がないようにしておくべし
※生徒は各学習でつくられたその教室及びその学級及びその学校の自他のすべての作品を鑑賞することができる その鑑賞形式は実物展示か映像上の展示かを問わないが、一学習の展示に於てはすべての作品が同一の鑑賞形式である必要がある 鑑賞場所や鑑賞時間などは各現場が指定するところによる
❶自由に「素晴らしい景色」をつくる 一
・生徒は各教室ごとに前述のすべての形の積木(無着色)をその現場状況上可能な限り自由に使用して「素晴らしい景色」をつくる それが自他何れの視点にとってのものか否かをも問わず、また自然か都市かなど一切のテーマも提供しない 但し規模制限や制限時間などは各現場ごとに指定されるべし
・またこの学習を生徒ひとりづつ或は複数人の合同組の何れを以て行わせるかも各現場の判断により、可能であれば何れを以ても行うことが望ましい 但しその何れを以ても行う場合のみ二回実施することとする外はこの学習は一回のみ実施することとする
❷自由に「素晴らしい景色」をつくる 二
・積木の数について無制限だった❶とは異なり、今度は各現場ごとに使用可能な積木の形や積木ごとの最大使用数についての細かな制約を設定し、その制約の中で各生徒は「素晴らしい景色」をつくる 積木は同じく無色のものとする
・制約の具体的な内容は専らその各現場によるところだが、例えば正方形や長方形のみを用いるべしとか、正三角形を数個以内また円柱類のものを数個以内とすべしとか、四角い形をしたものにだけ数の制約を課し他の形の積木は幾らでも自由に用いて構わないようにするとか、制約の傾向は多岐にわたるべし
・また、各教室ごとにか学級ごとに新たに制約を更新し課すことでこの学習を一学期につき最大五回まで連続して繰り返すことができる
❸自由に「素晴らしい景色」をつくる 三
・今度は再び❶のように形や使用数への制約のない学習を行うが、そこに新たに景勝府指定の或は各教員指定の共通テーマが課せられ、すべて作品はそのテーマに沿ってつくられる
テーマとは、例えば次に掲げるようなものとする
*歴史ある大神殿、大仏閣
*高層都市
*旧市街
*鬱蒼とした大森林
*大きな波
*太陽、月、惑星、その他宇宙の星、銀河系などについて
*宇宙文明、宇宙生命体
*歴史上の人物や国や出来事など(特定の名を挙げて)について
*人間のカラダについて、もしくは何かをして居る人間
*生き物(特定のものか漠然としたものかは問わず)について、それら生き物の姿や生態や成長進化などについて
*季節、天気、天変地異について
*今年あるいは近年の出来事などについて・・・・その他など、とする
❹「素晴らしい景色」を探る 一
・今度は所定の各積木に着色を施したものを用いる この学習に於ては景勝府の指定するところにより白、黒、青、赤、黄色、緑、紫色、橙色、茶色のみとする 成るべくこの内複数の色の積木は充分に用意されて居ることが望ましく、仮に何れの色の積木もその教室に於ける授業の規模に対して充分でないときはこの段階を実施できない
・この学習では先ず教員は当該全生徒をその生徒数規模に応じて一組2人~6人程度を基準に班分けし、そのすべての班に前述の色の内何れか同一の色に着色された積木を用いることを告げる
・それを告げられた各班は、班員共同で当該積木の着色から連想したもの(種類や寸法などは問わないが教員に認められないものは良しとしない)をその当該着色の積木を用いて作品としてつくりあげる
・可能であるときはこの学習を複数の異なる着色の積木を対象として各色の積木につき一回づつ行うことができる
❺「素晴らしい景色」を探る 二
・この学習に於ては基本的には❹と同じもの(班分けも維持)とするが、今度は題材となって居るその一着色の積木とは異なる他のすべての着色の積木(他色積木)を教員が定める制約に基いて題材作品に用いることができるようにする
・制約としては例えばすべての一他色積木をそれぞれ題材作品の使用積木総数の数パーセント以下にとどめるべしとしたり、すべての他色積木もしくは一部の他色積木のみに関して具体的な使用個数を提示するなどしても構わない
❻「素晴らしい景色」を探る 三
・この学習に於ては基本的には❺と同じものとするが、今度は一着色の積木を題材とするごとに毎回異なるテーマを教員が設定しすべての班はそれに沿わなければならない
・テーマの例としては❸に掲げたものを基本とする
❼「素晴らしい景色」を探る 四
・すべての着色もしくは充分な種類の着色(何れも❹に掲げた着色)の積木を用意することができて居る場合は、今度はそこにある着色積木の許す限り自由にあらゆる着色積木を用いることができることとし、教員は次に掲げるものを例としてテーマ設定しすべての班はそれに沿わなければならない
*豊かな森の中にあっても違和感のないようなもの、苔生し木々とせせらぎが息吹く営みの光景に馴染むもの
*月夜に照らされるべきもの
*真っ暗な空間の中で一つだけ射し込む光に照らされるべきもの
*青空と雲と大平原の中に佇んでそうなもの、聳え立って居そうなもの
*灼熱の砂漠の中に忘れられたかのようにそこにありそうなもの
*空に浮かんで居そうな秘密の島
*都会の真ん中にありそうで且つその都市の価値を高めそうな芸術作品、その都市の価値を高めたりはしないが都会の景色にすんなり馴染みそうな芸術作品
*昼過ぎのプールに浮かんで居るか或は水中にあったら美しいもの
*そこらへんの公園の木漏れ日の下で夏を感じさせそうに佇んで居そうなもの
*深海で誰にも知られることなく歴史を数えるか或は発見されては居るが人間の手には届かないで居るかして居て可笑しくはないもの・・・その他など、とする
❽「素晴らしい景色」を探る 五
・教員はそのすべての生徒ひとりひとりに、「都市の建物」をテーマとして無着色の積木による大中小の三つの物体をつくらせる 但し用いる積木はその現場にある中でも小さな正方形であることが望ましく、縦横3センチ以上10センチ未満が目安とする また物体は積木を上に重ねていくことのみが許され、一切横の広がりを許さない
・また「大」は教員の許す限りその高さに上限はない 「中」は50センチ、「小」は20センチのそれぞれ高さ制限がある
・すべての生徒が三つの物体を完成させたときは教員は先ず無作為にすべての生徒にすべての物体をかためて並べさせ生徒たちが眺めることができるようにする
・次いで教員はすべての生徒にその無作為に並べられた物体すべてを整備された都、市に並び立つ建物を連想しながら線を揃えて並べ直させるが、その際には高さ大きさは気にせず成るべく無作為に置かれたときのその位置の儘に並べ直すものとする
・次いで教員はすべての生徒に、この物体都市を一般に「美しい」と思われるような景観にするよう促しそこから自由に物体の配置について話し合い変更することができる時間を三十分ほど与える
・生徒の中には敢て役割などを決めさせず専ら自由にその三十分を使わせる 但し教員は自らの判断で適度に仲介や助力をなすべし 当該生徒間での多数決や対話などを整理し、必要であれば自らの許可と進行を経ずして生徒が取り組んではならないこととすることができる
・教員はこの学習中に生徒全員が又は生徒の多数が当該物体の配置を美しいとして認めるか否かの多数決を開始以後三十分経過ごとに行い、多数を得ない場合はその学習を教員の判断で必要なだけ延長することができ、また教員は多数決によらずともその自らの判断でその延長を何時も終らせることができる
・「美しい」という基準に関しては専ら各生徒らの感性によるが、要領を得ないときは「高さを場所ごとに揃え全体像に乙張をつける」「碁盤の目など秩序立った区劃整理を行う」「一定の間隔で同じ高さの物体を必ず設ける」などを参考にして教員が助言等を行う
❾「素晴らしい景色」を探る 六
・可能であれば今度は着色した小さな正方形の積木のみを用いて❽の学習を行うとし、積木やその他詳細は基本的に❽に同じ
・すべての生徒は無作為に当該寸法の着色の正方形の積木を自由に選んで当該大中小の物体をつくる 但し一物体はその構成する積木すべてが同一の配色でなければならない それが約束され可能である程度に各配色の積木が用意されて居る必要があるが、すべての配色の積木が必ずしも然うであることも要しない


・・・素晴らしい景色をつくる②・・・
※学校と教員は景勝指定色の何れか一色が配色されたものの内そこに用意し得る画用紙類、またその他当授業に於て背景に使用できるような平面状のものを用意すべし また各現場の判断により必要なときは投映技術や映像技術などを駆使することも妨げず、現場と教員はその各判断により必要なときは特殊な映像技術を作品に用いらせることができる 但しいかなる作品も各その生徒自身の制作によることは勿論とする
※各学習に於ける各作品は①に於けるところのように展示されるが、可能な限り現物展示とする場合はすべての作品が現物展示とされるべきとし、すべての現物展示が不可能な場合はすべての作品は画像映像または作者本人による再現画などを以て展示されるべし
❶雰囲気探訪 一
・教員は現物か或はそれに見立てた赤いリンゴを必要なだけ用意し、このリンゴの背景として美しいと思う配色について各生徒に問う 但し背景の配色は一色のみとする
・生徒はその現場に於て表現可能な色の中からそのリンゴの背景として美しいと自らが思う色を一色のみ選び、実際にリンゴの背景として発表する
・教員はこの学習を赤いリンゴ以外に、例えば様々な色の他の果物や野菜や植物や置物、あらゆる小物など景勝府が指定し理智府が許可するものであれば何れにでも置き換えて可能な限り何度も行うことができる 何れのものであっても現物かそれに見立てたものの何れであっても構わない
❷雰囲気探訪 二
・この学習に於ては❶を基礎とするが、今度は背景の配色を二色以上のものとする
・また背景に教員が許す限り且つ二色以上を用いる条件で自由な柄を施すことができることとする この学習もまた最初は赤いリンゴから始めることとし、次に❶と同様に他に派生していくこととすべし
❸雰囲気探訪 三
・教員は現物か或はそれに見立てた赤いリンゴを必要なだけ用意し、そのリンゴに暗闇の中で一色の光を照らすとしたら何色の光が良いか、生徒に問う
・照明とその明りの色は景勝府指定のものを使用する この学習を行う場合はその指定照明の半数以上がその現場に確保されて居なければならない
・この学習を行うとき、その現場では常にではなく教員の合図に沿って定期的に暗闇を再現することが望ましい また映像上で暗闇とその作品を再現することも推奨され、すべてその映像上でこの学習を行うことも妨げない
・光はどの角度からどの範囲や強さで照らすのかなど、それらはすべて自由とする 但し視覚的に好ましくないとして教員が判断したときは生徒はそれに従わねばならない
・赤いリンゴの他にもまた❶や❷と同様にあらゆるものを対象としてこの学習を行うことができる
❹雰囲気探訪 四
・この学習に於ては❸を基礎とするが、今度は光の色を二色以上のものとする ❸と同様に、赤いリンゴをはじめ様々なものを対象としてこの学習を行うことができる
❺雰囲気探訪 五
・教員はそのすべての生徒各一人づつに、景勝府が指定し理智府が認定した基準に基いた場所内に於て「素晴らしい景色」を見つけさせる
・基準に基いた場所とは例えばその学校の敷地内であったりその学校周囲などの特定の場所であったりこの学習の為に行われた遠征授業の遠征先場所であったりするものとする
・「素晴らしい景色」は、その各生徒の本人の意向により、その自ら描いた正方形か長方形の絵類によってか或は撮影道具を用いた画像動画によってかの何れかで表現されるものとし、その絵類や画像動画の各大きさは教員が示す基準の範囲内のものとする
・美術用具などは当然として必要なだけの撮影道具も教員管理の下でその現場に用意されて居るべきではあるが、その数に不足があるときは教員の指示に基いて各生徒が順番にその撮影道具を用い当該学習を行うなどとすべし
・教員の示す時間内につくられたものであれば生徒一人につき「素晴らしい景色」は幾つつくられても良いこととする
・また撮影道具によるものは必要最低限の補正機能などは用いることができるが、編輯機能は一切之を用いてはならない
・次いで各生徒はその描き又は撮影した「素晴らしい景色」について自ら自由に「言葉」を添えることとする それが詩なのか呟きなのか擬音なのか等は問わず、極めてその各生徒による自由なものとすべし またその言葉がその素晴らしい景色に対するどのような内容であるのかをも問わない 但し自他の尊厳を貶めるなどのようなものは認められない
・次いで各生徒はその添えた言葉をその対象である素晴らしい景色の中か外の何れに添えるのかを決定し、その各表現方法や色なども合せて決定する


・・・景勝日記①・・・
※教員は各学習に共通してそのすべての生徒をその生徒数に応じ2~4人組の班に分けることとし、その班分けは教員が必要と認める人員移動を除く外変更されない
※各学習に於ける必要な容器水槽等は景勝府が指定し理智府が認定した基準に基いたものを現場に用意しなければならない
※各学習はすべてそのすべての班が同時に同一のものを行う
※各学習に必要な器具等は国費によって支給されるが、教員はその他にその学校の長がその学習に必要なものとして認めたものはそれを用いらせることができる
※各班とその生徒は教員やその教員の信任に基く者からの助言を求めることができるが、学習自体はすべて各班各生徒自身の手で行われなければならない
※動的生体は景勝府が指定し理智府が認定するエビ類、貝類、メダカ類を除き導入しないこととする
※外来種と認められるものは一切用いてはならない
※班は学習中、最初に育成管理して居るものが枯れるなどしてそれ以上育成することが困難となったときは教員の許可の下にまた新たな育成管理を始めることができるが、それもまた枯れるなどした場合はその班はその学習から離脱する
※育成管理の学習はその育成管理対象物が健在である限り継続し、他の育成管理学習との重複も辞さないこととする
※学習中の容器水槽等は成るべくその教室内か当該廊下に置かれることとする
※学年を終えるときに於ても育成管理が継続する対象物はその当該班の生徒がそれぞれ自宅等に持ち帰ることとする
❶苔を育てる
・教員は各班に景勝府が指定し理智府が認定した種の苔の何れかを指定の分量分育てさせ管理させる 苔は指定の容器水槽等の中でその育成管理に必要な底床類、水槽用流木もしくは石類に定着させることとする
・また教員はその各班の育成管理する苔を水上もしくは水中の何れに於けるものとするかについて、各班ごとに多数決を取らせ決定させる 同数の場合は教員が決定する
・水中に於て育成管理するときは教員が必要と認めた範囲内で水質水温管理に関する指定の器具を用いるとする
・そして苔の育成管理に於ては、成るべく各生徒の手によって日光の力が用いられるべきであり基本的に照明類は使用しないこととする 但し教員が必要と認めたときは必要な限りに於て照明類を使用する
❷苔のある景色を探る
・苔を育成管理する各班はその容器水槽等の中でその苔を活かした風景を演出する
・この際に容器水槽等の中に導入できるものは景勝府が指定し理智府が認定したものである必要がある 例えば水槽用流木や石類などとし、既にその苔の育成管理に使用して居るものと重複しても構わない また水流や霧などを演出する為の最小限の器具等もこれに含まれるべきものとする 但し演出の規模などは教員が許可する範囲内とする
・この学習中に於ては照明類を使用しても構わないが、この学習を終え通常の育成管理を行うときは照明類については必要でない限りその使用を停止する 学習後に流木や石類などをどうするかは各班自身が決めるところによる
・教員は各現場の判断により、この学習の途中から指定の動的生体を導入することを各班に均しく許可(全体許可)することができる 但し導入する個々の種についてもすべて教員による個々の許可(個種許可)が必要となる
・一度行った全体許可及び個種許可は同じ学習内では取り下げられないこととする
❸水草を育てる
・教員は各班に景勝府が指定し理智府が認定した種の水草の内の何れか二種を育てさせ管理させる
・水草は指定の容器水槽等の中で水中に於て育成管理され、必要な底床類に植えることとする 水質水温管理に関する器具は教員が必要と認めた範囲内で指定のものを用いるとする
・この学習に於ては専ら日光を用いずに照明類を用いることとする
❹水草のある景色を探る
・水草を育成管理する各班はその容器水槽等の中でその水草を活かした風景を演出する
この際に容器水槽等の中に導入できるものは❷の苔についてのときと同様とする
・更に、教員はその自らの判断で水草の容器水槽等の中に当該各班が育成管理する苔を導入することを許可(統合許可)することができる 但しそのときはそのすべての班が苔の導入を行う必要があり、それが行われたときは苔の育成管理に関する学習は本学習と統合される また苔の導入に際してはその苔を育成管理して居た容器水槽等の動的生体も共に導入されるが、教員はその判断によりその何れか或はすべての動的生体の導入を事前にやめさせることができる
・次いで教員は各現場の判断により、❷の場合と同様に水草の当該容器水槽等に動的生体を導入することについての全体許可と個種許可を行うことができる
・一度行った統合許可及び全体許可及び個種許可は同じ学習内では取り下げられない
❺小さな滝をつくる
・教員は指定の容器水槽等の中で景勝府が選定し理智府が支給した石類や底床類を基礎として各班に小さな滝をつくらせる
・各班は教員の許す範囲内に於て、その班が育成管理する苔や水草をこの学習に用いることができる 一度この学習に用いた苔や水草はもとの容器水槽等には戻せない
・滝とそれを構成する石類や底床類はその容器水槽等の上限から食み出さない程度とするが、教員が特別に認めた場合はこの限りでない
・容器水槽等の中で水中部分を表現することは妨げないが、教員が滝と認める程度の滝が必ず表現されて居なければならない また水中部分に限り教員の許可に基いて動的生体を導入することができる 但しその班自身の決定と教員によるその決定の追認または教員の指示によって導入生体をその班の育成管理する他の容器水槽等の中に移すべしとしたときは、そのようにできる


・・・景勝日記⓶・・・
・教員は次に掲げる各情景を例として景勝府が指定する各当該画像映像等を駆使して参照させながら、生徒にその各情景から連想する或はその各情景に合う「音」や「音楽」を問う 可能であるときは教員と生徒が共に情景の現場に実際に赴きこの学習を行うことができ、音や音楽を問う段階を其の儘その現場で行うか若しくは後に学校で行うかもまたそれが可能か否かによる
*夏空と山と地平線と一面の田んぼ
*樹々とせせらぎ
*境内へと続く鬱蒼と包まれた一本道
*森の地蔵たち
*背の高い森と鹿
*天の川、夜空の宇宙
*アルプスのある風景
*夕暮れ(住宅街、水平線、山のむこう、大地、雲海など様々な状況の中の夕暮れ)
*街と曇天
*通勤してゆく人々の背中
*大都会とその夜景
*夜明け前の街
*花火、夏祭り
*雪景色
*桜のある季節
*秋の水面
*暗闇の中行われる神事と松明
*鹿威しのある風景
*秘境の滝
*サボテンと地平線
*宇宙の果て・・・その他など、とする
・「音」とは、例えば景勝府と理智府及びその学校が認める範囲内でその現場に用意できるあらゆるものを駆使して出されるもの、または媒体から出すことができるもの、または各生徒本人もしくはその本人に頼まれた教員や他の生徒らが出すことができるもの、とする
・「音楽」とは、「音」とされるものの内で音楽と呼ぶことができるものに加えて景勝府と理智府及び才大臣が認定し且つ著作者側がその認定の根拠となる使用許可を行った音楽作品のことをも謂うこととする


・・・景勝日記③池を営む・・・
※この学習を行うにあたっては景勝府がその学校が当学習を実施するに値するとして承認し理智府がその承認に基いてその学校に当学習実施の許可を与える必要がある
※この学習は専らその学校の屋外の適切な場所に肝腎の池を設けんとした上でその場所を中心に行われ、学年と組を問わずその全校生徒を対象とする
※外来種は一切導入されないこととする
・池の管理責任はその学校に於て景勝に関する係を担うすべての生徒(景勝係員)が負うこととし、校長と教員は毎学年のはじめに景勝係員の中から池の管理責任に関する生徒代表を最大五人指名する 指名された生徒は校長と教員が認める正当な理由なくしてその指名を拒否できないこととする
・池の規模や形状及び池の水域内外に導入される設置物や石岩類又は生体等はその各学校の生徒数や豫算や敷地の規模などに応じて教員と生徒代表が協議の上これを管理する
・教員と生徒代表は可能な限りその棲息生体の大まかな種や数や状態などについて定期的に調査を行うなどして把握し共有して居る必要がある
・新たに池を拡張し池の形状を変更し又は設置物や石岩類や生体を導入し又は設置物や石岩類や生体を取り除く(減らす)ときは必ずその都度、全校生徒による投票(一人一票)が行われそれぞれその投票結果に基いて行われる 但し投票するか否かは各生徒の自由とする 投票期間は教員が決定する
・投票で池の拡張や形状変更又は設置物や石岩類や生体の出入を問うときは当該投票期間十日前から投票期間終了までにその学校内に於てそれらに関する具体的情報が文章や画像映像を以て充分に周知されて居なければならない 具体的情報とは例えばその新たな措置による視覚的変化、現状の改善点、その新たな措置による懸念点、出入物の詳細情報などとする
・投票に於てはすべて教員と生徒代表による協議に基いた決定を承諾するか否かのみをその回答選択肢とすることとする


・・・世界景勝探訪・・・
※各学習の潜在的な目的は、日本の価値を知り日本を演出する術を身につけることにあるのであり、教員は勿論のこと生徒もそれを常に意識すべし 各学習の締めくくりには必ず日本の価値を知り演出することについての集中探究の段階が踏まれることとする
❶世界を評価しよう 一
・教員はすべての生徒一人づつに、日本が承認する世界中の国について次に掲げる項目に基いた私観による意見を探り記させる 各生徒は現場にあるあらゆる情報収集手段を用いて一つ一つの国又は各国の相対的実態について調べんとし、教員もそれを可能な限り補助すべし
*その国は=極めて大きい国か、大きい国か、大きい国でも小さい国でもないか、少し小さい国か、小さい国か、極めて小さい国か、或はその他意見印象
*その国は政治的な国際社会に於て=その国は世界経済に於て=中心で存在感を放って居るか、主要な国として存在感があるか、主要な国だが存在感が薄いか、主要ではないが存在感を見せて居るか、主要でもなく取り立てて目立っても居ないか、一切何の存在感もないか、或はその他意見印象
*その国とその国の文化の世界に於ける単純な知名度は=極めて高く誰もが知って居るか、有名で広く知られて居るか、そこそこ有名で知られて居るか、有名でも無名でもないか、あまり知られて居ないが全く知られて居ないということもないか、殆ど無名に近いか、全く知られて居ないか、或はその他意見印象
*その国とその国の文化は世界から=大変尊敬され憧れられて居るか、それなりに広く尊敬され憧れられて居るか、或程度は尊敬され憧れられて居るか、大変又はそれなりに又は或程度は尊敬はされて居るが憧れの対象とはされて居ないか、あまり尊敬されて居ないか、そもそも尊敬の対象とされて居ないか、或はその他意見印象
*その国の人は=その国が世界で一番だと思って居る人が多いか、一番かどうかは知らないがその国が世界の中でも素晴らしい国だと思って居る人が多いか、その国が世界の中で普通の存在だと思って居る人が多いか、その国が世界の中ではそれほど大した国ではないと思って居る人が多いか、その他意見印象
*その国は=すごく暑い国か、暑い国か、常夏の国か、四季のある国か、すごく暑くもありすごく寒くもある国か、暑くもあり寒くもある国か、寒く涼しい国か、すごく寒い国か、その他意見印象
*その国は=緑豊かな国か、それなりに緑のある国か、あまり緑の無い国か、殆ど緑の無い国か、その他意見印象
*その国は=災害大国か、それなりに災害のある国か、あまり災害の無い国か、殆ど災害の無い国か、その他意見印象
*その国は世界の中で=極めて裕福な国か、主要な裕福な国か、それなりに裕福な国か、裕福かは知らないが絶対に貧しくはない国か、貧しくはないか知らないが豊かではない国か、少し豊かではないかも知れない国か、貧しいかも知れない国か、貧しい国か、極めて貧しい国か、或はその他意見印象
*その国は=相当長い歴史のある国か、長い歴史のある国か、比較的新しい国ではあるが長い歴史のある国か、歴史は浅いが格式のある歴史を持って居る国か、あまり歴史があるとは言えない国か、その他意見印象
*その国は=極めて美しい国か、美しいと言える国か、美しいとも然うでないとも言えない国か、あまり美しくない国か、全く美しくない国か、その他意見印象
*その国は=極めて進んだ国か、進んだ国か、進んで居るとも遅れて居るとも思わないか、やや遅れて居る国か、遅れて居る国か、極めて遅れて居る国か、或はその他意見印象
*その国は=極めて外に開かれた国か、それなりに外に開かれた国か、少し閉鎖的な国か、閉鎖的な国か、極めて閉鎖的な国か、その他意見印象
*その国は=極めて治安の良い国か、治安の良い国か、危険とは言えない国か、安全とは言えない国か、危険な国か、極めて危険な国か、その他意見印象
*その国は=世界中から人が押し寄せるか、すべての地域からではないが世界中の複数の他の大陸から人が押し寄せるか、近隣諸国及び地理的に近い国々から多くの人が押し寄せるが他の遠い地域からはあまり人が押し寄せないか、近隣諸国など比較的近い国々からもあまり人が押し寄せないか
*(外国に居る)その国の人は=世界中に多く散らばって居るか、世界中に或程度散らばって居るか、世界の特定の地域に多く住んで居るか、あまり世界に散らばって居ないか、その他意見印象
*その国は科学に関して=世界最高の技術水準と規模を有して居るか、世界最高ではないが高い技術水準と規模を有して居るか、国力は限られて居るが特定の分野に於て強みを持って居るか、それなりの技術水準を持って居るか、あまり技術水準は高くないか、全く技術を有して居ないか、或はその他意見印象
*その国はスポーツに於て=あらゆる分野で競技面及び商業面の何れに於ても大きな存在感を放って居るか、あらゆる分野で競技面及び商業面に於て存在感を放って居るか、競技面には優れて居るが商業面ではそれほどでもないか、競技面ではそれほどでもないが商業面で大きな存在感を放って居るか、特定の分野で存在感を放って居るが世界のスポーツ界に於ける存在感はあまり無いか、或はその他意見印象
*その国は=芸術性の極めて高い国か、芸術性の高い国か、それなりに芸術性のある国か、あまり芸術性の無い国か、殆ど芸術性の無い国か、その他意見印象
*その国の大衆文化に於ける音楽は=その国の大衆文化に於ける音声映像作品は=世界中で極めて大きな人気を得て居るか、世界中で広く人気を得て居るか、世界の特定の地域で人気を得て居るか、世界の特定の層に人気を得て居るか、あまり世界で人気を得て居ないか、その他意見印象
❷世界を評価しよう 二
・教員はすべての生徒一人づつに、日本が承認する世界中の国の名前について、その価値が高いと思う順に順位をつけさせる 生徒はその自らが順位づけすることができないと判断した国の名前があったときはその国名を順位から除外し、除外されなかった国名のみで順位を形成する
・この順位に於ける基準などは敢て設けないこととし、専ら各生徒のその現在の感覚が決めるところによる
❸世界を評価しよう 三
・教員はすべての生徒一人づつに、日本が承認する世界中の国のそれぞれの代表的及び特徴的及び有名な様々なものについて挙げさせる
・観光地や食べ物や人物や有名な歴史上のもの等、挙げるものの種類は問わない 挙げるものは原則一つの国につき一つ迄とするが、教員は必要と認めれば最大二つ挙げることを場合によって生徒に許すことができる
・それら一つの国につき挙げられる一つ又は二つはその生徒がその国について思い浮かぶものの中の最も代表的で特徴的で有名なもの一つ又は二つである必要がある その国について思い浮かぶものが無いときは生徒はその旨をそのまま示すべし
・次いでそのすべての生徒一人づつは、代表的な特徴的な有名なものとして挙げた一つ又は二つのもの以外にも思い浮かぶものがある国があるときは、その思い浮かぶすべてのものを挙げる 但し代表的な特徴的な有名な一つ又は二つに挙げたものとは扱いや欄などを異にしておく必要がある
❹教員は❶❷❸に於ける全体統計結果を纏めた上で生徒と共にその統計結果が各国の実際事実を参照し比較して、如何に正しく如何に誤って居り如何に中立的かなどについて指摘し合い認識し合い共有する
❺その国の色をつくり出そう
・教員はすべての生徒各一人づつに籤を引かせる 籤の種類は次に掲げる通りとし何れも一籤引きに於て一つとし、生徒各一人は一度だけ籤を引く
*北半球の大変寒く、夏も涼しい国
*北半球の大変寒く、夏も暑い国
*北半球のそれなりに寒く、夏も涼しい国
*北半球の穏やかな四季がある国
*冬は比較的暖かく夏が大変暑い国
*冬は比較的暖かく夏も比較的涼しい国
*大変暑く冬も暖かい(暑い)国
*大きな海の真ん中に浮かぶ常夏の国
次いで籤を引いたすべての各生徒は実在の世界中の国々を参照してその引き当てた前掲の内容に合致し又は似て居る国の地理的気候的文化的経済的各特色はどうなのか調べ認識する 各生徒はそれらの情報を参考に前掲内容に沿った自らによる空想上の国を思い浮かべつくる
次いで各生徒はその空想上の国について、次に掲げる各項目に沿って構想する
*その国の国旗、その国を表す色
*その国の人種とその交配
*その国の伝統的衣裳、伝統的芸術
*その国の歴史
*その国の言語の文字と発音
*その国の地域区分、地域ごとの地理環境、地域ごとの景色景観
*その国の代表的なもの、その国を最も連想させるもの
*その国の食文化
*その国の経済、生産力や購買力、国際的経済関係
*その国の軍事力、諸外国との軍事的関係
*その国の大衆文化とそれらの国内外に於ける滲透・・・その他など、とする
❻日本の景勝を探ろう
・教員は生徒と共に、全国各都道府県の各主要都市を中心として現在わかって居る限りでその各地の江戸以前、明治期、大正昭和期、戦後昭和期、戦後平成期、現在の景色景観を画像映像もしくは絵類もしくは立体模型などを以て認識し共有し合う 現在でもその場所の或過去の景色景観について事実根拠が確かでない場合はその旨も認識し共有した上でその情報を消化すべし
・それぞれの過去現在の景色景観について認識し共有し合うときは同時にその景色景観に至った自然環境的背景及び歴史的背景をも認識し共有し合い、またその景色景観を構成する建物やその他街づくりの様式や工法なども可能な限り認識し共有し合うべし
・次いで教員と生徒は、各都道府県各都市それぞれの場所にとっての「古有の景色景観」とはどれでありどんなものなのか、協議や多数決などを以てその学習に於ける答えとしての各結論を導き出すべし

景勝教育骨子

景勝教育骨子

  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-07-08

Copyrighted
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