「過去を喰らう」第4話

プロローグ

俺は優愛に主人公と言われた。
違げえ。
違ぇよ。
本当の主人公はお前だろう?
ルピ「全員耳塞いだな?」
行くぞ!
ルピ「ウルトラソニック・セル・ディスラプション(超音波細胞破砕)!!!」
だから優愛!
お前が決めんだよ!

魔法使い

タコは大きな悲鳴を上げる。
再生が止まった!
ルピ「優愛…!頼んだ!」
優愛「下がってろヨサメ。」
優愛さんは槍を構える。
しかし――。
夜雨「槍が溶けている!?」
優愛「一つ教えといてやる。アタシは人間じゃない。」
なんだ!?マグマ!?
優愛「薙げ槍!」
ビュン!と熱風が吹く!
優愛「魔法使いさ。」
タコの脳天を貫く!
優愛「氷漬け!」
更にタコを凍らせた!?
夜雨「強すぎる…!これが最強の魔女!?」
優愛「いいや…雨子が最強だよ。」
タコは動き回ろうとするが、全く動けないようだ。
優愛「雨子から貰った槍を大事に。大事に使ってきた。死ぬときも一緒だ。ああ…何を話そうかな…」
優愛さんの膝が崩れる。
優愛「ゲホッ…ゲホッ…最強の魔女は毒を扱えるらしい。でも、他の毒の耐性が、少しつくだけで、自分が扱う毒に耐性がないっていうのはアホな話だ…。」
夜雨「優愛さん!」
優愛「アタシなら大丈夫だ。解毒剤なんてない。ったく…蓄積されてきた毒も回ってきた…。ヨサメ!何ボケーっとしてんだ!アイツを喰らってこい!」
夜雨「う、うん。」
僕はフラフラな足取りでタコへと近づく。
夜雨「イット・ザ・ペスト」
ラプラス「よいっしょ!」
ラプラスが喰らったのはいいが…。
タコが突然暴れだした。
ラプラス「うわあああ!!!」
ラプラスがふっとばされる!
優愛「鰓心臓だ。まだ生きてる。アイツら…アタシと同じ…人間じゃない。」
ラプラス「くう〜!死ぬところだった!でも一つは喰らったよ!残り2つ!」
優愛「上出来だ。ご褒美に一つ教えてやるよ!何でお前を殺そうとしたかなっ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
優愛「正気か!?お前!」
雨子「それしかないよ…賭けるしかない。」
あの時アタシは窮地に追い込まれていた。
何で最強の魔女を目指したかって?
魔女の力を間違って使うやつが沢山いたんだ。
アタシ達二人は魔法使い。
魔女狩りにも魔女にも追われる身になってしまったんだ。
だから自分達が魔女になれば少なくとも襲われずに済む。
スパイ活動みたいなもんさ。
そして悪い魔女を100人殺して最強の魔女になる。
トップのマリアを殺せば願いが叶うなんてシステム無くなるんだから、クソな魔女も減らせる。
いや、魔女なんてもん失くせる。
魔法が使いたいなら魔法学校に来い。
願いを叶いたいが為に無実の人を殺すんじゃねぇ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
優愛「そこで対立が起きた。」
ラプラス「対立?」
優愛「アメコは極悪非道な魔法使いなんだよ。」
凛護「…」
夜雨「そんな…わけ無いだろ…」
花恋「雨子が魔法使い?どういうこと?」
ルピ「駄目だ。理解ができなさすぎる。」
タコの足が飛んでくる。
アタシ達は避けるが、先から分裂した。
今いる5人全員殺す気だな…。
リンゴに合図を送る。
ニッコリと返してくれた。
私はしっかりとクソダコの攻撃を喰らった。
ルピ「優愛ぁ!」
優愛「繋怒。」
メキメキとタコの足が腐食していく。
優愛「ホワイト・スネイク…上出来だ。」
もう一つの心臓の足も後ろで動き始める。
バリバリと音を立ててとんでもない針千本の毒が散らばる。
凛護「絶対死守奥義。光吸収闇奪取。」
全ての毒針がリンゴに降り注ぐ。
無茶をしやがる。
雨子がいたら回復できたんだが。
もういないからな。
ルピもカレンも足は止まっているが。
やはりヨサメは一歩早く動いていた。
左手には槍、片方にはリンゴの剣。
夜雨「ハァ!」
タコ足両方にぶん投げる。
タコ足も夜雨を全力狙うが、完全に後ろがガラ空きになっていた。
夜雨「イット・ザ・ペストォ!」
強くなったな。
ヨサメ。

時の旅人

タコ足が消えていく。
花恋さんは膝から崩れ落ち、ルピさんは苦い顔をした。
二人の戦士が倒れていた。
フッ…と白い蛇が凛護さんを包み込み消えた。
僕達は優愛さんの所に駆け寄る。
夜雨「優愛さん…」
優愛「凛護に先立たれたか…」
毒が回ってしまっているようだ。
身体の震えている。
優愛「ヨサメ…カレン…二人で新しい人生を生きるか、真実を追い求めるかはお前らに任せる…。カレン…ごめんな…」
花恋「謝らないでください!」
優愛「いや…これから起こることだ…」
花恋「え…どういう…」
優愛「…。」
どうして黙るんだよ!
夜雨「あなたに聞きたい事がまだ沢山あるのに!どうして!」
優愛「お前が壊れてしまうからだ…。だから言えない。ただ、お前が無事で良かった。あの時、お前が殺されないでよかった。お前らを騙せてよかった。」
ラプラス「…。さっき、君の願いを盗み聞きしちゃった。そういうことだったんだね。」
優愛「アハハ…バレたか。どちらにせよだ。もう魔女はこいつら二人しかいない。襲われる事は無いだろう。フフフ…イット・ザ・ペストか…。」
ラプラス「そもそも夜雨や花恋の魔力じゃあの魔法は使えないよ。それに元々この魔法は雨子の魔法だからね。」
優愛「お前がこっちサイドに入ってくれるなんてな。」
ラプラス「オイラだって好きでやってきたわけじゃないからね。時の旅人だよ?オイラは。勘違いしてた時もあったけど…」
優愛「そろそろ…ヤバい…喋れなくなってきた。」
ラプラス「…!?…そうかい…。ルピ!」
ルピ「…ああ…!」
優愛「ラプラス。また会おう。」
ラプラス「うん。」
ルピ「ドルフィンスマイル。喰らえ。」
大きなイルカが優愛さんに頬ずりする。
優愛さんはゆっくりと目を閉じた。
ルピさんの身体が透けていく。
ラプラス「ルピ。お疲れ様。」
ルピ「俺は一体…!?」
ラプラス「元に戻るだけさ。普段通りね。」
ルピ「お、おいまっ…」
ルピさんは光に包まれて消えてしまった。
…終わったのか…全て。

エピローグ

ラプラスは結局優愛さんについては何も教えてくれなかった。
一体何を隠してるんだ…。
花恋「コラ。勉強しなさい。」
夜雨「あ…ごめん…」
今は花恋さんの家で暮らしている。
そう、東京だ。
夜雨「にしても…魔女狩り全く来ないな…。」
花恋「都会だし、魔女狩り反対派が多いっていうか。そもそもそんなの興味がないのよ。皆一人一人の強みを分かって仲間同士で助け合ってる。もう…全然集中出来てないじゃん…ご飯食べる?」
夜雨「うん。」
―――――――――――――――――――
RESULT
喰らった人数33
ラプラス…。
お前はどこに行ってしまったんだ?
「海に化ける」に続く

「過去を喰らう」第4話

お久しぶりです。お待たせしました。正直生きているのに精一杯な半年でした。歌にめっちゃ力入れてた。
次回、海に化けるは付箋回収になります。
生き残った夜雨と花恋はどうなってしまうんだ〜?
僕も知らん。
花譜ちゃんの過去を喰らうの
URL→https://www.youtube.com/watch?v=tMKrECxEpq8
人間六度さんの過去を喰らう(I am here) beyond you.のURL→https://www.youtube.com/watch?v=MyJSW_kpf6g

「過去を喰らう」第4話

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-12

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. プロローグ
  2. 魔法使い
  3. 時の旅人
  4. エピローグ