生と死のあわいで

死ぬ気は失せたが
生きる気も失せた
生きる気がなければ
死んでるも同然、か

生きてるだけでいい、か。それは
死ねと同等に残酷な科白(セリフ)
相手の幸不幸を願うだけでも残酷なのに
手を貸さないとなると
残酷ここに極まれりと言うほかない

おれにはわからない
おれは願わない
おれは愛さない
何もかも

生きてればいいことがある、か。それは
おれが最も(おそ)れていること

もはや如何(いか)なる言葉も響かず
如何なる未来も望まない
過去は一つ残らず朽ちた

おのれの残酷を解していない
自然を羨んでいた

生と死のあわいで

生と死のあわいで

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-04

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