灼けた心

白い空間

白髪の使者

こちらを見る女

その細い瞳は片方だけ

何かを言いたげだった

顔半分は焼け爛れ潰れている

いつの日かの苦痛を物語っているようだった

喉まで焼けて話せないようだった

気を遣って真面目に励ましの声をかけた

使者は黙ってうなづいた

彼女が見せたのは

そんな僕の態度を馬鹿にするような

しかし、日向のような温かな表情だった

その時焼け爛れた顔が癒えたことに気づいた

ああ、いつものお前だなとつぶやいた

その途端、全てが白へと還った

それでもほのかに焚きつけられるには十分なことだった

灼けた心

灼けた心

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-05-06

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