灼けた心
白い空間
白髪の使者
こちらを見る女
その細い瞳は片方だけ
何かを言いたげだった
顔半分は焼け爛れ潰れている
いつの日かの苦痛を物語っているようだった
喉まで焼けて話せないようだった
気を遣って真面目に励ましの声をかけた
使者は黙ってうなづいた
彼女が見せたのは
そんな僕の態度を馬鹿にするような
しかし、日向のような温かな表情だった
その時焼け爛れた顔が癒えたことに気づいた
ああ、いつものお前だなとつぶやいた
その途端、全てが白へと還った
それでもほのかに焚きつけられるには十分なことだった
灼けた心