001

星を守りたいなら相応の覚悟で規定を守って
性欲は醜い
ほとんどが醜い
発露するタイミングを間違える輩ばかりだ
僕だって
僕は星を守りたい
誰にも僕の歌は聴かせない
だけど君の歌は聴かせてね
代わりに僕の歌のへんりんは聴かせてあげる
鈴なり
涼しいね
そんな夏に僕が大きらいだった他愛もない話
君のお話はすき
他愛もない話は世界を渡っていく情報になる
でもそんな情報屋みたいなことばっかしてると
僕は地球に取り憑かれる

私だけが真夜中に堕ちていた
悲しんでいないのに勝手に悲しんでるって
決めつける
アラジンには道化師が出てくる
物語人物でありながら展開を司る
なんにも正確に把握できないんだから
道化師の資格だってない
本当に救われたかったのは私のほうで
クラゲ体のわたしを通過する
人々の感情から楽になりたかった
だからあなたに
同情なんかしてあげられない
同情も、共感も

本当はこの装置を外せばひとりだ
この装置が見せる世界で交わるふりをしている
石ころしか転がってない海底で
何かが起こした水中の振動が
石ころを転がす
ただ、見つめて心が空っぽになっていくことが
気持ちよく思う

水は風を伝える
岩場の外は初夏だろうか
わたしはもうここの住人になりました

001

001

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-05-04

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 1
  2. 2