払う

爪がはがれて、
肉が滴りおちないように、ていねいに舐めている。沿ってながれる皮脂たち、舌とのふれあい。あなたはひとたまりもなく、生を生け贄にすることができる。尊ぶもの、憩うところ、光あるところで、憂いを払おうとしないでおくれ、あなた、あなたは、生死を隔てて、生きている。

ふれる。手で慰めようとするから、森には海がない。爪と肉体を、肉質的になぞれない。高貴で、慄く。あなたの美しいところ。
陽が射すまえに、還らなければならなかった、誤解は招かない、果実のもっとも熟れたところのように、滴って産まれたのが、海、かぎ爪で、潮をかきまぜて、森まで、
ひとりきり

森から海へつながっている、なんて、白々しくて、あなたをひとみに映したままで、舐めることだって、できた、かがやいているものは、目印になるから、いい、
肉を食べている、帯びている、あなた、あなたは、爪がはがれたことは、ないようで、払いに、ためらいがない

払う

払う

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-05-01

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