「うつつ」

 夢魔が私に何を見せる
 私はもはや木偶人形
 眠りに甘んじることなど要せぬものを
 何故に騒がしい神経が
 やすらげる枕を欲する
 白く柔らかきふんわり枕が
 罰を背中に刻まれた私の神経を撫でてくれようものか
 いけない
 撫でてはいけない
 触れてはいけない
 繋ぎ留められた幼い女の
 情念はいともつめたく涼しい…
 

「うつつ」

「うつつ」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-04-08

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