わたしを穢してください

わたしを穢してください

 ぼくの部屋の聖域にちかい領域の写真。香水はもっているもの(八個だったかな?)のなかで一番好き、センシティブな薫りだけれども。
 けっして二階堂奥歯さんイメージの詩ではありませんが、ぼくの考えや感覚に影響を受けているのはたしかで、この詩にはとくに濃厚です。精神病院に入院中に読破して極度の共感で情緒不安定になり、看護師にやんわり(強制ではなく)とりあげられました。
 それ以来怖くて拾い読みしかできず、毎度余りの美にひいと悲鳴をあげています。

 わたしを(よご)してください、
 わたしを汚してください、

 わたし 貞操なんてわかりません、
 躰なんてズタズタに轢き散らせばいい。

 わたしを穢してください、
 わたしを穢してください、

 わたしのすべてを傷跡で満たして、
 好きに嬲って 使用して、どうぞ。

 わたしを侵犯(おか)してください、
 わたしを侵犯してください、

 躰なんて識るかよ 汚れちまえよ、
 わたしの不在に穿てよ、全てを。

  *

 わたしをどうぞ 穢してください、
 わたしお前のポルノじゃない お前がわたしの起爆剤(ポルノ)だよ、
 
 城郭(おしろ)みえるよ、戦わせてよ、わたしの肉を穢してください、
 その悉く、わたしの「わたし」は撥ねかえすから。

わたしを穢してください

わたしを穢してください

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 青年向け
更新日
登録日
2023-04-05

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