肉の花
お前は肉だ、
犬死した詩人よ お前はただ肉だ、
肉でしかないものだ、犬死した詩人よ、
お前は肉だ、肉の他なんでもない欠片の一つ一つがお前の全部だ、
そいつは地の深みで散った、ズタと頭が血と曳かれ、
四肢 バラバラに砕け迸り 解体した言葉の如く砕け、
そいつは深みのふかみで毀れた、お前は肉片だ、肉片がすべてだ、
犬死詩人よ、お前はいま手足もげ腐った蛸のように死んでいる。
お前は肉だ、肉片だ、死んだ物質だ、
そうではあるが 君よ、お前の肉は一領域光と投槍に抛ったように、
お前が何よりも憎み穢し愛し信じ壊し抱いた 青空に──
お前を幾たびも突き放した 硬質冷然な神殿・青空に──
其処にべったりと翳が張るように咲いてる お前の肉が。花が。
肉の花 肉の花… 花に供物と抛られた腐れ肉、そいつ肉の花だお前だ。
肉の花