Exuviae
いのちのはんぶんを、きみにあげる。(愛とは)いつの時代も、不可思議。赤い爪のひとに、やわらかい部分を裂かれて。ひらかれて、うちがわを、じっくりと観察されて、指先で、なかみにふれられる。じぶん以外のだれかを、好きになるという衝動的で、感情的な、よくわからないきもちのことを、大体のひとたちはたいせつにしている。ね。
(あ)
(うまれた)
わたしが、つくりあげた世界は、かくじつに、わたしのものになっていく。
好きな音楽。好きな本。好きな食べ物。好きなアニメ。好きないきもの。好きな描写。好きな表現。好きな色。好きな愛し方。好きな傷つけ方。折り重なり、層を成して、溶け合い、構築されて。
骨組みは、二十年前に出逢った一冊の本。
偏愛はいまもかわらず。
永遠に、きっと。
Exuviae