魔物

 夜鷹(よだか)が、静かに吐く息。宇宙、という未知なるものに抱擁された、ひとつの惑星の、ちいさな場所で育まれる。あい。生命を、つねに、肉として纏ってる感覚。なぜなら、この世の存在するものの多くは、生きている、から。意思、感情はもちあわせてなくとも。
 ドラッグストアで、割引されていた菓子パンを買う。気分としては、べつに、しにたいほどつかれていないけれど、だれかをささやかに憎んでしまう程度には、つかれているという感じ。あの、テレビに対して、なくなってほしいとまでは思っていないけれど、ときどき、在ることに、煩わしさをおぼえるときの、精神状態の揺れ。

(おまえは詩だ)

 呼んでいる。
 虚空より。

魔物

魔物

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-01-19

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