僕は、虚空という絶世の背をひろげる母を、
 青々と硬い風景を、野獣の獰猛が踊り昇る如く情念で、
 「貴様この野郎」と──不良少年が親に甘ったれる心情で反逆、
 然し、「僕は」の後言葉をつづけることができず、されど、

 「あなたを愛している」と泣き崩れた、そが背を翳とし抱いた、
 すれば僕の淋しさはくずおれ霞にのまれ、渦巻と風景変容、
 刹那 久遠の暗闇が僕を含み、わが身 宇宙に宿らされた、
 神経的なこの久遠が宇宙の闇だと識り、生とは現象と識った、

 僕は久遠という闇に刹那侍り、永遠風景の流れ往き着く破片、
 僕は「わたし」を遠吠えするように、「此処に生きている」
 そう、宇宙の母へお便りするために、青々と炎ゆる硬き歌を叫ぶ、

 僕等久遠に侍らされた刹那の光、音楽と奇怪に舞踊と生きる、
 僕等刹那に磔された久遠の一片、音の如く産れ空へ消える宿命、
 君「あなた」を抱いて──それ固有に綾織り光り歌えば佳いのだ。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-01-06

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted