祈らば断て
あなたの 祈りは──
合された てのひらより
さらさらと毀れて往き 遥かに燦る夢の城を
赫々と流々とうつしながら 砂音立てて墜落して、
つややかな 若草の枝先に
小鳥のようにとまり、清む囀りで無音を歌い
時々くらいは しろい木洩れ日を照らして
神さまの住むお空を照らして きらきら潤んで雫の光る。
ただ、それだけです。
ただ、それだけです。
祈りの効果現象は唯それだけです。それでいいではありません?
祈りを善としたいなら 善を巡る箴言に祈りを代入せよ、
「祈りとは 唯それだけでよいもので、
そこから引かれる報いの線の拡がりを──自ら断て」
祈らば断て