infirmity

(にんげんである。はずなのに、どこか、まわりのにんげんとは異なる気がする。それは、マイナスな意味での「とくべつ」であり、決して、驕っているわけではなく、単純に、欠陥だらけの、まるで、にんげんの皮をかぶった、なにか、でしかないのではと、そう思わずにはいられないくらい、わたし、というものは、ひどくエゴイスティックで、冷酷だ)

 だれかからの着信が煩わしいと思いながら、テレビからながれてくる、今年を総括しているようでいて、べつに、今年のヒットチャートをにぎわしたわけではない、何年か前のヒット曲をバック・グラウンド・ミュージックに、形容しがたい感情をひたすら黙殺するように、ドーナツを貪る。ほかに、方法をしらない。

 窓の外は、雪。
 しんしんと、世界を白く染めてゆく。

infirmity

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-12-23

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