十二月の羊
ちきゅう、という星はきまぐれに、ひめいをあげる。真夜中はやめてほしいと思いながら、neoが、窓ガラス越しに月の輪郭をなぞる頃、しらないあいだにうつくしい天使さまとして、この街を守護していた、あのこが、ふれるだけのキスをして。詩を紡ぐのは永久的に、ひつじ。夜明けの数時間だけ、おやすみがある、ファミリーレストランで、ちょっと冷めてる感じのグラタンに、なげやりな気分でスプーンをいれて、すくいあげていると、スマートフォンが着信を告げながら光って、べつにしりあいでもないけれど、なんとなくいいなぁと思ったひとの投稿の通知で、じぶんで登録しておいてなんだけれど、うざ、となった。neoは、注文したオムライスの存在を忘れているみたいに、月を見上げていて、ファミリーレストランのBGMに雑じって聴こえてくる、詩は、りゆうのない暴力のようだった。
十二月の羊