ララバイ
好きなひとが、こなごなになった日。まぶしい、太陽をにらんで、冬を待っているあいだに、あのひとの仮面がはがれて。生きとし生けるものすべてに、平等に、愛をあたえる、聖人みたいなひとが学校の屋上で歌ってる。制服を着た、あのこたちが人形になって、星は腐ってゆくばかりで、比例して、にんげんは病んでいくことを、みんなわかっていて、みんな知らないふりをする。あんぱんに似たおかしを、サクマとふたりで分け合っていたあの頃は、意味もなく幸せだったのだ。やさしい夢から醒めて、他人といっしょにただ、おわっていくだけの十二月。
ララバイ