詩と音楽
海の呼吸。だれもしらない、あのひとのほんとうの、かお。(あ)おちた、と思ったとき、すでにからだは、そこにあって。土のうえ。眠っているように静かで、泣きたいくらいに美しくて、狂ったみたいに凄惨。せんせいの生命線、てのひら、アルビノのくまの、ぼくに対する慈しみと愛の熱量に溶けるチョコレートアイス。いつのまにか、あの水平線の向こうの楽園にうつりすんでいた、きみと、サクマと、椋。ぼくの半身と、分身と、コイビトと。朝、という存在をはじめからなかったことにしているみたいな、夜の横暴。破滅的ミュージックとの協和。なによりもやさしくて、おそろしい、アルビノのくまの愛撫。テレビにでている有名なだれかの不倫という、どうでもいいニュースのうらで、こわれてゆく世界。
詩と音楽