非日常クリスマススペシャル2

メリークリスマス

ハッピークリスマス

「スピードスターはフールな猿ぜ?」
ナニいってんだコイツ。
「『処女の貴重な体験』の名言と言えばこれだよね。」
マジでコイツなに?
俺は友人と真面目な話をしていたはずなのに、その友人によっていつのまにか興味のない漫画(?)の話を聞かされていた。
いや、ホントのこと言うとちょっと興味がある。
なんだよスピードスターって、それに猿だって?さらには題名に処女までついてるじゃない?こんな話捨て置けないよ!?
でも、今は真面目な話がしたい。
「スピードスターって相当な早漏で、快楽を一度覚えたらいつまでもヤってるバカな猿のことなの?」
しまった。友人の面白そうな話に乗ってしまった。
俺の旺盛な好奇心が、ほとばしる想像力が悪い。
「スピードスターは歓楽街の親分で、女を道具としてしか見ていなかったけど、父親の梅毒の薬を買いに歓楽街にやって来た処女に…」
いや面白そうなんだよ?いまのところ。興味のピークを更新してとどまらないよ?
でも、俺は人生に関わる大事な話がしたいんだ。だから、話を遮らなくてはならない。
「俺はおっぱいの話がしたいんだ!!」
そう、おっぱいの話が。
「だったら、ラ・パルテいく?」
だったら?だったらとかけてラ・パルテと解きますか。
はいはい、あれね。
「ラ・パルテてなんだ?」
たぶん、ラブラブなこと(ラブラブという愛らしい響きから想像されるファンシーな意味合いからひどく逸脱する大人のえぐみを含んだラブラブな行為)をするホテル、人呼んでラブホテル、略称ラブホのことだろうと推測した。
「ラブホ」
「やっぱり」
「そんなところあるの?」
「ありそうじゃない?」
確かにありそうだ。他にもアクアキャッスルとか、みつばち部屋とか、パスポルテとか、ラ・ケブラータとかトペ・スイシーダとか、プランチャとか、ビビンバ、ズッパ、タンタンメン、クスクスカータブラーナで
「ポイ!!」
「え!?」
「味にうるさいクレオパトラでも食わず嫌いのナポレオンでもねぇよ!?」
魔がさした。いけないいけない。
「で、行くの行かないの?」
「どこに?」
ありもしない桃源郷に?
「ばか。誘ってるのよ」
「え?」
「好きだからラブホ行こうっていってんの!!」
「え…」
「…」
「…うん」
俺は友達に真面目な話を。そう、ずっと好きだった女友達に告白をしたかったんだ。俺から想いを伝えるつもりだったんだ。
それがこんな形で。
でも過程はどうあれ、両思いだったのだ。こんなに報われることはない。
ご都合主義だと言われそうだけど、ララァならわかってくれるよね?
だって今日は

クリスマス

だから。

おしまい

非日常クリスマススペシャル2

クリスマススペシャル完

非日常クリスマススペシャル2

ハッピークリスマス

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-12-25

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