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 ゆりかごのなかで、永久に。こもりうたはマイナーソングで、つめたい海でゆうがにおよぐ「きみ」のことを想いながら、うすっぺらいやさしさをそうびしただれかに、しんぞうの一部もあげたくない。
 朝に、あたらしい一日の幕開けに、凄惨なニュースを観て萎える日常。先制攻撃をくらって、きょうという日になんとなく、期待がもてなくなるので、トーストに、これでもかというくらい、ジャムを塗りたくる。それは塗っているというより、のせているという感じ、と云ったのは、なにものにも穢されない、無垢なノア。ときどき、世界が、他者のかなしみを共有するようにおしつけてくる、気がしている。そう、一瞬でも、そう思ってしまうのは、いけないことなのだろうかと考えながらテレビを消して、黄桃ジャムをたっぷりのせたトーストにかじりついた。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-11-01

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