夢のライオン
わたしが星々へ飛ばした憧れの風景画には
睡りこけるお日さま色の雄ライオンが
砂のような草原に巨きな身をうずめていて
のっそりと おっとりとした眼をひらいているの
ライオンもまた砂のようなタッチ
周囲と溶けこむような柔らかな光にみちみちて
此方のわたしをやさしい眸で眺めたかと想うと
そっけない素振りで くるりと太陽の源へあゆみはじめた
そう あなたはライオン 夢に睡るライオン
太陽とおなじ色をして ふさふさと鬣をやさしい風に揺らし
あなたはライオン 何処かで睡るおおきなライオン
わたし 睡る「あなた」を信じています 心から 心から
わたし あなたに手をとられて
ひっそりと夜の風景画へ伴れこまれてみたい
夜の闇と夢のあなたに疎外に淋しい頬うずめ
夜の粒子にわたしはわたしを剥くの 躰から 愛しているからだから
夢のライオン