宿酔の朝

 しろい陽 ぐれーっしゅに煙る
 うつろう陰翳の壁のような相対的風景で
 まっしろに剥かれた死のかおが、
 視界いっぱい 無数でぷかぷか浮んでる。

 頭上には裂かれ かききえそうな、
 幾千の天使たちが歌ってる、きえいる声で。
 わたしは脈打つ肉体の浮ばす病める想念、
 どうにか 幾重の理路にたどらせようとする。

 さながら みずからの酒に黝い肌
 愛撫するがように す、とゆびつたわせ、
 どうにか 幾重の光辷る理路にたどらせる。

 されどこの翳ふかき 眸の方に宿る地獄で、
 わたし 水晶の硬き光線を曳く歌をうたい、
 せつな 地獄すら瞳から剥ぎとらねば不可ない。

宿酔の朝

宿酔の朝

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-10-12

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