宿酔の朝
しろい陽 ぐれーっしゅに煙る
うつろう陰翳の壁のような相対的風景で
まっしろに剥かれた死のかおが、
視界いっぱい 無数でぷかぷか浮んでる。
頭上には裂かれ かききえそうな、
幾千の天使たちが歌ってる、きえいる声で。
わたしは脈打つ肉体の浮ばす病める想念、
どうにか 幾重の理路にたどらせようとする。
さながら みずからの酒に黝い肌
愛撫するがように す、とゆびつたわせ、
どうにか 幾重の光辷る理路にたどらせる。
されどこの翳ふかき 眸の方に宿る地獄で、
わたし 水晶の硬き光線を曳く歌をうたい、
せつな 地獄すら瞳から剥ぎとらねば不可ない。
宿酔の朝