片恋鎮魂歌の十四行詩

 星々に死の弧を曳き連なる死者たちの壮麗な瞼、
 わが眸はそが瞼の向う側を想い歌を放つも失墜、
 失墜亦失墜さればちかと赫々たる燦り毀す夜天、
 天地は転回しわが身墜落し銀と群青に呑まれる、
 わが身其処を漂い故郷の馥郁と拡がる薫を聴く、
 銀と群青の色彩はpsychedelicにどぎつく音交り、
 悉くの統治者・死に侍り整列される如く真白へ、
 どっと流れ込み乾いた硝子盤に光のみ反映して、

 わが翳はその面をうっすらと辷り泳ぎ夢をみて、
 地に遺された片想いの黒猫を夢と指で描き歌う、
 私の敬いを自然に呼吸する黒猫は気儘に月棲み、
 わが半身は人魚の鱗とし硝子盤に反映と結ばれ、
 わが半身は黒猫への片恋に熱っぽく脹れ緊縛し、
 人魚には魂が不在で唯泡沫へ霧消を俟つ身の私。

片恋鎮魂歌の十四行詩

片恋鎮魂歌の十四行詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-10-02

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