九月の別れ

(さよなら、だいすきだった、だれか)宇宙の果てで、空想にひたってたい、と思ったときの、たいしておおきくもない町の、休日故に、ひとがあつまってしまっただけの、なんだか物足りなさを感じるショッピングモールにて。ざわめきが、からだのなかの、膵臓や、胃なんかみたいには、なまえのない、やわらかい部分に無遠慮に触れてくる。となりにいたはずの、ネムが、捕まえた蝶をあのこの胸元に転写して、いつのまにか、だれかの神さまになっていると気づいた日。

九月の別れ

九月の別れ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-09-28

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