飛行機雲

まんまるな月に住むお姫様は

時々地球にふんわりと舞い降りる

人目につかない黒い靴を鳴らし

地球人を見てはあの月へと帰る

惚れた不純物は太陽と契約する

日曜日を待つ人間達は

満月を見ては悲しさを吐く

十四階から着陸した飛行機雲の残像

それを眺める老爺の目は儚い

お姫様はまた地球から人を攫ってしまった

飛行機雲

飛行機雲

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-08-03

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