夏の思い出

嘆き悲しむサボテンを横目に

残暑を惜しむ娘達が駆け抜ける

白い生脚は天体望遠鏡の三脚のよう

ぼんやりと夢を見ては惑星が霞んでいく

あの子が届けてくれた夏の落とし物

花火なんかしなくても祭りの音は響く

割れた水風船を浴びる横髪は美しい

靴擦れした皮膚 あの子の思い出

ぬるいビールを飲み干しては夜を抱く

今日も暗い宇宙で名も無い星を探す

夏の思い出

夏の思い出

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-08-03

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