ばい

 満たされているというのは、何なのだろう。なぜ僕はこんなことを考えている?
ああ、時間があまるほどあるからかもな。明日は5時起きだというのに……。
今日は不気味なくらい凪いだ一日で、刺激からはかけ離れた最高の日だった。僕には穏やかさがお似合いだ。幸せではない、不幸でもない、落ち着いた善い人生だ。
本当に?
何となく自分の人生に疑問を持つのは、できてないことがあるからだった。自分がまだ、発揮できてないものがある。
過去にはできていたのに、歳月ができなくした。そんな自分の大事な一部を、僕はいまだ思い出せない。取り戻せない。
過去の栄光とか華々しいものではない。むしろ逆で、暗く手触りの悪いものだった気がする。それでもないと寂しい。
自分がいないみたいで、無性にかなしい。
好きだったものが過ぎ去っていく。いつまでも僕のなかに留まってはくれない。僕自身もそれを赦さないみたいだ。
締めたくなるのもイヤな癖だ。こんな思考にさようなら。

ばい

ばい

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-07-14

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