光と音楽の舞踏と失墜

 抛られ 砕けた水晶から──
 一粒 また一粒と、淋しき光が毀れ、
 断末魔 不断に産み落され 悲痛な音立てて、
 地に光のいきれ降り、不規則な韻律で、きんと叩き据える。

 荒地さながらざらついた紙が 光で濡れて往く、
 光は翼もがれた鳥であり、失墜滴る紙は墜落点で、
 毀れ往く悲痛なる音楽を 叩き落すが如く、詩人は書き、
 先行し、苦痛にしろく剥がれた 電子の紙──光と音楽で乱す。

 あざとい乱雑の文体は、光と音楽の結んだ策略である、
 ほくそ笑みを秘め、身振は舞踏、魂の乱痴気の人工再現、
 詩人の素直な心情、まるで意味には不在して、むしろ音に宿る。

 砕けた水晶が──陽を浴びて炎ゆる、理想の翳ゆれる、
 詩人はいつまでもそれを視ている、死際 掌でも眺めるように。
 投身自殺は我が趣味だ、何かを確認するがように、魂の声失墜させる。

光と音楽の舞踏と失墜

光と音楽の舞踏と失墜

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-07-10

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