細雨(ささめあめ)

しんしんと雪 降り始め
雪がみぞれに 変わり出し
みぞれと雨の 勢いも
弱りだす頃 君と僕
雨のシャワーで 光射す
道を歩いて どこからの
光なのかを 探し出し
見つけ出すのは その名前
今は昔の 静やかな
昼の景色の 寺の池
紫のハス 乱れ咲き
雨粒がふと 花びらを
弾くときには コノハナの
サクヤヒメさま 手にとって
釈迦に渡して 悟らせる
一つの真理 紫の
色に匂うは なぜなりや
心あるから 伝わるの
愛があるから 伝わるの
ハスの上には 細やかな
雨が降り出し 釈迦の目に
涙が一つ 滴って
ハスの心に 涙あり
釈迦がハスへと 手を伸ばし
触れ合えばほら 笑い出し
世界は回り 笑顔だけ
溢れ出しては コノハナの
サクヤヒメさえ 笑い出し
緑の心に 熱を帯び
世は暖かく 成りだして
氷の心 溶け始め
世の人々の 心色
熱を帯び出し 星の白
光り出しては 世を照らし
細(ささ)め雨降る 草の原。

二〇二二・五・一 記す

細雨(ささめあめ)

細雨(ささめあめ)

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-05-07

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