文体練習ちびまる子ちゃん

ちびまる子ちゃん1巻の1話目「おっちゃんの魔法カード」の冒頭部分をレイモン・クノー「文体練習」のごとく、様々な手法であらわしてみました。

1、読みたい日本語

とうとう終わる1学期 みなは身軽に一目散
ギラギラじりじりひるひなか 学業道具と我が苦行
ヘチマは元気にからみつき おや 先に見えるはバカなヤツ
振り向きゃいつもの姉の顔 悲しいかな血のあらそえぬ


2、えほん

よいしょ、よいしょ。
きょうは1がっきのおわり。みて!このにもつ。きょうかしょにノート。たいそうぎ、えのぐのセット、おまけにヘンなにんぎょう!それにこのヘチマったら、いやになっちゃう。
おや?まえにもすごいにもつのひとがいる。たたたた・・・
なんだあ、おねえちゃんか。あーあ。


3、訊き込み

ーここらへんで何か変わったことはありませんでしたか?

変わったこと?そうですねえ。小学生が集団下校してたんですけどね。ホラ1学期終わったから。やけに荷物の多い子がいたわね。

ーそれはいつごろですか?

ちょうどお昼ごろね。あっついのに大変だわぁって思ったもの。

ーその子はどんな感じの子でした?

小学校2~3年かしら。たしか赤いスカートをはいていたと思う。
途中でその子と同じくらい荷物を持った子と合流したのよ。小5~6くらいの。多分おねえちゃんでしょうね。

ーそうですか。ありがとうございました。


4、暗号

 し ち が つ な か ば
 ま な び の お わ り
 み ん な ま と め て
 ひ っ さ げ る の さ
 し っ ぱ い だ こ りゃ


5、座談会

「というか『さくらももこ』は本名だとおもってたんですよ」
「このカブトムシ手づかみなんかも童子らしくていいですね」
「まだ意外とたまちゃんが登場しないという」
「たいがい一学期おわりってこうですよね」
「自分らの頃はアサガオでしたねー」
「つーか姉の後ろ姿わかんないのかよ、って」
「しかもどうせアホみたいだろーなあ、とかいって」
「当時『身内』っていう語彙がなかった」
「チャッピーどさっ、にひとしきり笑ったなー」

文体練習ちびまる子ちゃん

文体練習ちびまる子ちゃん

ちびまる子ちゃん1巻の1話目「おっちゃんの魔法カード」の冒頭部分をレイモン・クノー「文体練習」のごとく、様々な手法であらわしてみました。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-04-03

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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