殼の舞

 とくとご覧あれ、血と贄の腐敗を。天まで届く讃美歌の雨あられを。朽ちていくことを、劣っていくことを哀れだと思うのなら、人知れず歌い続けていようか。貴方を待つことだけが残されのは、救いか、恩寵か。いずれにせよ劣った雨に打たれるばかりで、この身には過ぎた永遠を持て余している。赤々と照らす血飛沫に濡れて、酸欠になりながら夢を見ていると、誰かを愛する自己満足を得るために撫でたり引き裂いたりしたくなる。

殼の舞

殼の舞

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-20

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