純化
てきかくに、抉る。
星の、腐っているところを、容赦なく。
まぼろし。
海のなかから見上げる、太陽みたい。
椋鳥が、かなしみを抱いて飛ぶ。夜の森。ナイフをもった少年に、パウンドケーキをあたえる、きみ。アルビノのくまに贈られた、花の冠。ぼくらの悲鳴など、きこえないふりで、植物に支配された街は、きょうも、にんげん以外のいきものにだけ、やさしい。なまえもしらない、だれかの画集をながめているあいだに、恋だの、愛だのは、わりとかんたんに、うまれて、しんでをくりかえして、ちょっとかなしい。
アルビノのくまの、神秘的なまなざしに、ぼくは、透明になる。
椋鳥と、少年と、きみと、アルビノのくまの、調和。
刹那的。
純化