おはよう

 ケーキをたべているあいだに、迎えにきてね。
 やさしいあくまちゃんが、あたしと、あのこたちのために、祈りの詩を綴る。花柄の便箋に。平和をあいしている。アイスクリームは、週に三日ときめている。乙女ゲーム信者だったアマナツと、バンギャだったミドリちゃんが、いつのまにか、あたしたちの星の未来をかんがえるようになっていて、星を慈しんでいて、まるで、ちいさな、おかあさんみたいに。
 あたしは、やさしさしかうまない、あくまちゃんのとなりで、ねむることで、あたし、という人格をたもっている。
 春の海は尊く、夜の空の月は薄命で、生命は甘やかに覚醒して、あたらしいなにかが自然的に増殖する。
 世界。
 三月が、永久機関でないことに、等しく。

おはよう

おはよう

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-08

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