またたぎ

 今日に語る月の羽に
 知る人のため息を白線に乞う

 苦心に浸る水溜りも
 口を洗ぐには丁度いい

 美しくあるために踊るけど

 排気ガスに曇る青空じゃ
 星だって輝いちゃくれないから
 鳴らす指に合わすように
 君の声を聞く

 硝子を削りだした瞳を取り出して

 粉砕したくなるくらい
 絶望に暮れて
 それでも慣れてしまえば
 プリントアウトに滲んだ、インクのドラマツルギーに過ぎなくて

 点を失うだけで意味すらも失う
 欠点だらけの世の中で
 手に取る月の群れに

 ただ君へ見えない世界を語らおう
 環状に視界を遮るプレッシャーで彩られた張りぼての子供部屋に囚われることへの
 美しさを

またたぎ

またたぎ

小さな世界に囚われていいいんだ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-02

Copyrighted
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