#α

…危険な、危険な、光の照射…………

…敗北…………誰の?…………

…………誰かがここに生きていた…………

…………墓を荒らすようなことは…………

…倫理が……道徳が………いつの話?………

……遺らなくても……

……蓄積されるもの……

……………寸前まで幸福だった…………

緊急警報が表示される
誰かが消されたらしい
秘密を握りしめて
コードを切られた
メタバースに阻害
誰かがもう一度目を覚ましても
ディストピアにはもう飽きたと
嘯いて、拳銃片手に散歩の夕刻
ゾンビに噛まれるよりも
生きてる人間の殺傷力が
高いって傷ついた人々は
みんなで傷を見せ合って
この世界でお留守番をする

緊急事態は色と言葉を変えて
けたたましく響いている
誰も空を見上げてはいない
空中に表示されるマークに
人を狂わせる何かがある
もしくは救われるらしく
信仰が拒絶か迫られている
うずくまる隣人の声を忘れ
誰かがナイフをふりまわす
光が反射する
その人の目に刺さる
もう何色も映すことは無い
虹が三重奏を奏でて
混沌を慰めている

悪い夢はいつも同じことを言う
私は悲しみも孤独も胸に当てて
結局はちぐはぐのまま外出する
生きづらい人たちの中に入って
そこにも無かった居場所だから
世界が終わってもやっぱり無い

ナイフを振り下ろした人を見た
空を仰いで懺悔をしながら刺す
自分自身の痛いところを刺して
それでも命は終わらないみたい

色褪せた旗を見つけた
文明の痕跡と足跡がある
誰かが、戦った跡がある
空気は汚染されている
ガス惑星は接近する
星団が破裂したのは
ほんの数秒前であり
数千年後であって

…………退行と成長は同時進行

……法則です…………

………無為の……………

………………見えざる………………

……気をつけて…………………

……………信じてください……

命は発生した
命は滅びた
その上には
生活の線路
運ばれる
日常を
生きる
儚い
刹那
産声
遺言

多重にある世界の層を割った
全てを一点に返して
そこから逆回転する
悲劇を回避するため
私たちの使命のため



………逆回転しはじめる……………

………結果を見ようと人だかり………

………光が照射される………

……空中にコードが表示されて…………

大間違い………傲慢…いつも……同じルート…

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-02-04

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