失
きれいだったはずなのに、いまはもう、よごれていくだけの惑星。骨だけになったとき、すべての記憶をてばなすこと。でも、しんでも、骨髄あたりにはのこっていてほしい。きみとすごした日々。神父さまが、真夜中のバケモノとくりかえす、肉欲を削ぎ落した逢瀬と、アイスクリームやさんのかたすみで、いつまでも泣いている幽霊。チョコミントアイスをあたえたくらいじゃ、泣き止まないし。恋と愛ばかり詩ってるアーティストが、テレビのなかではいつも渋滞していて、みんな、きっと、だれかに恋して、愛してないと、ないと、肺が片方なくなるみたいな感覚なのかもしれないよね。
ちいさなアパートの、ちいさなへや。
しろくまの重みと体温に、意識はしずんでいくばかりで。ふたり。
一月。
冬。
だれもがさみしい。
失