きれいだったはずなのに、いまはもう、よごれていくだけの惑星(ほし)。骨だけになったとき、すべての記憶をてばなすこと。でも、しんでも、骨髄あたりにはのこっていてほしい。きみとすごした日々。神父さまが、真夜中のバケモノとくりかえす、肉欲を削ぎ落した逢瀬と、アイスクリームやさんのかたすみで、いつまでも泣いている幽霊。チョコミントアイスをあたえたくらいじゃ、泣き止まないし。恋と愛ばかり詩ってるアーティストが、テレビのなかではいつも渋滞していて、みんな、きっと、だれかに恋して、愛してないと、ないと、肺が片方なくなるみたいな感覚なのかもしれないよね。
 ちいさなアパートの、ちいさなへや。
 しろくまの重みと体温に、意識はしずんでいくばかりで。ふたり。
 一月。
 冬。
 だれもがさみしい。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-18

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