木枯らし

風は絡みつく
葉を落としきった桜の枝に
命は絡み合う
ありとあらゆる細胞の中

わたしをここに抱きとめる
わたしの腕が
あなたをここにつなぎとめる
あなたの指が
知らぬまに誰かの網膜に焼きつくように
知らぬまに宇宙史に組み込まれてゆく

今、木枯らしが駆ける
今、わたしとあなたの目が合った冬

木枯らし

2021年12月 作成

木枯らし

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-16

Copyrighted
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