短々落語「でっかいまくら」

400文字以内のショートショート落語臭

「でっかいまくら」

真っ当(ま  とう)な人間なら、誰しも、寝ようと思っても眠れない、そんな経験の一つや二つはある様で(よう  )して。で長い人生、一つや二つぐらいだったら、さほど問題にはならないんでしょうけれども、それが、ひーふーみーよーいつむ、今何時(いまなんどき)だい、何つ(なん  )ーて、(かず)が多くなってきますと、これはもう歴と(れっき  )した(やまい)になりまして。何でも日本人の5人に1人、60歳以上では3人に1人が、睡眠に悩んでいるそうですな。で如何に(いか )不眠を解消するか、お薬だけじゃなく、色々な安眠グッズもある様でして、で最近では「快眠落語(かいみんらくご)」なんてのもありましてね、これを聴いて、落ちが来る頃には、もう夢心地、眠りながらニヤニヤしている亭主をみて、奥さんが気味悪(きみわる)がったとか、いないとか…)



おぅご免(  めん)よ、ご隠居(いんきょ)いるかい、寝れねぇんだって? でだ、ご隠居、このでっかい(やつ)、使ってみな、ここに頭を埋める(うず    )と、すーっと寝れるんだってよ

どうだいどうだい、ご隠居、頭ん(あたま   )中は?


まっくらだよ、(まくら)だけにね

短々落語「でっかいまくら」

お後がよろしいようで。

短々落語「でっかいまくら」

◇(真っ当な人間なら、誰しも、寝ようと思っても眠れない、そんな経験の一つや二つはある様でして…)、その顛末やいかに。400文字以内のショートショート落語臭。とても短い創作落語。原稿用紙一枚(20×20=400文字)程度だから、およそ60秒で読める「一分落語」。爆笑は期待できないが、じんわりとくる面白新作落語臭。

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-12-26

Copyrighted
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