廻景

 かくも可憐な世界を前にして静かに佇み、瞬きを繰り返す。一度見たものを否定するように、何度も、何度も、思い返すたびに崩壊させる。そうして創造された景色には汚濁の一点も染み入らない、めまぐるしく移ろう不出来な走馬灯のように。それは私をすらも置き去りにする純粋な連想の連なりによって、すべての悪しきものを遠ざけるために紡がれる(うた)なのかもしれない。

廻景

廻景

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-12-05

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