自選短歌 2021年11月

元カノがわたしのことを元カレと思っていないことがよくある

スーツでも淫らなことは考える海や地球の心配もする

僕たちが影絵を演じ続ければ月と猫からのぞかれている

妄想に耽ったあとの夜空には見たことのない星座がまわる

真夜中に白い光が照らしだす水垢を見てわたしも老いる

瞬きのあいまを抜けて飛ぶ蝶をつまんで食べる君の指先

襲われた美術館から飛び立つも湖に着けずに燃え尽きる

白夜にて夜を弔うビュッフェにはサンドイッチが平等にある

自選短歌 2021年11月

自選短歌 2021年11月

2021年11月に「うたの日」で発表した短歌からの自選8首です。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-12-04

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