愛と死

愛で世界を壊したい、そんなの、戦争みたい、なんて、ぼくはばかなのだろう。でも、だれにも、なぐさめてほしくない、だれにもみられたくないし、ぼくを、しらずに、死んでね。死ね?(人類史のこと、きみはかんがえるだろうか。生きているなら、すべてのひとを愛すように、みつめて、たまに、切りすてるべきだ。)

愛です、と、云えるひとがいる。それは、救いたい、という意味に、似ている。かなしみのまえに、慈しみがある。好意的にひとを殺すなど、絶対にしない。みとめられているし、なぐさめられることもある。死ですね、と、ぼくは云う。(なにものでもない神になりました、なにものでもない、神に。)

全能にはなれないよ、どれだけ愛そうと。
それが、愛。
(きみは人類史のことをなんて、かんがえない。だから、みすてない。ぼくは死ぬのに、きみは手を握る。愛と死だ。きみの神は、他人だ。)

愛と死

愛と死

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-12-02

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