ぽやぽや

あおい はる

 くろい。
 ねむい。
 夜になると、思考回路は、にぶる。回路を、うまくまわってない感じ。たぶん、電波的なものが。
 ちがう?
 なんでもいいけれど、とにかく、うまく伝達してないなぁと思いながら、ぼくは、しろくまのせなかに、はりつく。しろくまは、テレビを観ながら、洗濯ものをたたんでいる。シャツを、くつしたを、ズボンを、ぴしっと、ていねいにたたんでいるので、ほんとうにテレビを観ているかどうかは、あやしい。内容は、あたまに入ってないんじゃないだろうかと、うたぐる。なんか、このアーティストの曲、いつもテレビで流れている気がして、ちょっと、聴きあきている。しろくまのからだが、ぬくいようで、あんがい、ひやりとしているのは、たぶん、さっきまで、ベランダにいたからだ。洗濯ものをとりこみながら、冬は、暗くなるのが早いから、せっかく乾いた洗濯ものも、つめたくなって困るな、と、ぼやいていた。ぼくも、しろくまも、帰りがおそいので、しかたないのだ。今夜のごはんは、近所のスーパーのおそうざいのコロッケだった。とんかつは衣でボリュームをごまかしているのがまるわかりだけれど、コロッケは具がつまっていてうまいと、しろくまはいう。ぼくは、じゃがいもよりも、お肉が好きなので、お肉の比率が高い方がうれしい。そのコロッケは、どちらかといえば、じゃがいもが優勢かもしれない。ほくほくで、おいしいから、かまわないのだけど。
 ねむいなら風呂にはいれと、しろくまが言う。
 うん、と答えて、ぼくは、でも、しろくまといっしょにはいりたいなと思う。
 なにもかんがえたくない、夜は、しろくまときゅうくつな湯船のなかで、うとうとしていたい。
 だいじょうぶ。
 しろくまがいるから、ぜったいに、おぼれないのだ。

ぽやぽや

ぽやぽや

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-11-29

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