鮟鱇

 虚ろな光よ、翻れ。数多ある託宣のうち、朽ち果てた幻をも求めて曲解した魔香を赦してはくれないか。人は窮屈だ。いつもそこに空いている穴こそが闇だ、お前の顔だ。宇宙が落下し続ける限り、祈りは無駄と知れ。こうあれと願われた姿から離れて、いったい何に成り果てるのだ。ああ、歌よ。ただ美しく光を放つ讃美歌だけでなく、すべての歌よ。なぜ軽々と息を止めていられる?

鮟鱇

鮟鱇

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-11-09

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