まだら
いまだけは、きみが、支配者でいい。
にじんだ。
星に、シミができる。だれかのかなしみ、憎しみ、怒り、後悔、と、血。点々と、浮かんで、わたしたちはそのうえを、あるいていく。香しい花が、くちのなかにつまっていた。おなかがすいていたのだと、あのひとはいって、つめたい理科室では、すこしだけ次元が、ゆがんでいる気がした。さわったこともない、エレキギターを、しにものぐるいでかきならしているような気分で、きみと、あのひとと、わたしの視線がまじわる一点にうまれている、なにか、おそらく、ぜったいに、愛、なんてシロモノではないなにかを、わたしはにらみつけている。
まよなかには、いつも、おわった恋ばかりを思い出す。
よあけには、じぶんの醜悪さを呪って、泣く。
真昼の空に、流星をみた。きみと、あのひとの、くちびるが重なるとき、なまえもしらない花がひらく。早送りをしているみたいに、次々と花は咲いて、群生し、密集し、真っ赤な絨毯を織るのだ。
まだら