どこかに繋がる扉

二次創作詩を集めてあります。
童話/アニメ/漫画/ゲームまで雑多。

魔法じかけのハッピーエンド

時計じかけの魔法をあげる

深夜0時の鐘の音は
君をせかす音

ほらほら早くと
カボチャの馬車に ネズミの御者

足早に去ろうとする君に
「待って!」と王子様の声が あとを追う

「ごめんなさいね」と聞こえない声でつぶやいた声を置き去りに
 階段に残されたのは 片方だけのガラスの靴
私を見つけてと 片方だけ残されたガラスの靴

魔法使いのおばあさん どうかとけない魔法をください

置き忘れていったガラスの靴は 私の気持ち
それだけは 魔法でもとけなかった私の心そのもの

魔法でできた夜は去り
ハッピーエンドな結末を知っていたのは
王子様とシンデレラの結婚式に
人知れずこっそりとまぎれていた魔法使いのおばあさんだけでした

[テーマ:シンデレラ]

人魚うたかた幻想

君と出会った海辺のはずれ
眠った君を僕は見つけた
触れた指先に 確かに届いた君の鼓動

昔、昔……の物語り
僕は 一国の王子で
君は 偶然見つけた女の子

言葉が話せなくても
それでも 僕達は幸せだった
僕の知らないことを
君は たくさんたくさん 持っていて

確かに
それは とても幸せなことだったはずなのに

たとえ 君の声が聞けなくても
たとえ 君が歩けなくても
君の代わりなんていないのだから
いくらだって その足りない分は僕が持つはずだった

でも 
僕は 一国の王子で
君は 偶然見つけた女の子

幸せは 突然の不幸に変わり
君は泡へと消え去った

[テーマ:人魚姫。なぜか王子視点(?)]

片想いジュリエット —籠の中という世界の中で—

私はいつも待ってるの
私だけのロミオ

ここは高い高い塔の上
私は閉じ込められた籠の鳥
泣くことはできなくても 鳴くことはできるの
涙という音を いつも奏でてる 
声なき声で いつも歌ってる

籠の中だけが 私の世界のすべて
だから待ってるのよ 
私を ここから連れだしてくれるロミオ

外の世界は素晴らしいと
風が運んでくれるお話だけが
私の全部なの

ここは籠の中の狭い世界
この場所が私だけのすべてで 小さな小さな世界
だから いつも鳴いているの
だから いつも泣いているの

どうか この私の歌声 風よ運んで

私だけのロミオを求めてる
外へのあこがれを求めてる

今日も鳴いてるの
高い塔に閉じ込められた籠の中で

[テーマ:ロミオとジュリエット+ラプンツェルが、なぜか合わさった(?)]

小さな小さな君に贈る花束

アルジャーノン
君が見た世界は どう映っていたのかな

世界は意外と ちっぽけで狭くて
まるで それは
僕と君とで箱の中にいるような
そんな箱庭のようなものだったのかな

君は 僕よりも先に空へと飛び去ってしまったね
君は僕といる時は楽しかったのかな
アルジャーノン 僕は君といて楽しかったよ
君は僕の大親友だって思えるんだから

アルジャーノン
空へと飛び去ってしまった君に贈るよ
この花束を‥‥

[テーマ:アルジャーノンに花束を]

ビロードのうさぎ

春に 夏に 秋に冬
季節は ぐるぐると巡るよ
たくさんの思い出という名の草花を生い茂らせ
そこから覗き見ている うさぎが一匹

うさぎや うさぎ
ビロードのうさぎ

クリスマスには
柊(ひいらぎ)の葉に モミの木のてっぺんには 一番星きらり
赤に青に黄に色とりどりの飾りが飾られ
その下にはプレゼントの大小さまざまな箱が たくさんたくさん

うさぎや うさぎ
ビロードのうさぎ

その中でも特別なのは ふっくら体に ピンクのお耳揺らした
クリマスの靴下に入ってた ビロードのウサギが一匹
それが一番とびきりのプレゼント

おもちゃのお馬さんが教えてくれた内緒のお話し
本物になれる魔法の内緒のお話し

うさぎや うさぎ
ビロードのうさぎ

坊やの大事な大事なうさぎのぬいぐるみ
捨てられ 涙が一粒地面に落ちた

うさぎや うさぎ
ビロードでできたウサギ
涙がこぼれ落ち そこから芽が出て
妖精さんが生まれて 魔法をかけてくれた

ビロードは本物の毛皮になって
もう ぜんまいもいらない体になった

坊やのお気に入りは
妖精の魔法が うさぎへと変えてくれた
おもちゃのお馬さんが 内緒で教えてくれた本物になれる魔法


でもね
大好きだった君は 茂みから覗き見てるボクに気がついてくれてるのかな?

[テーマ:ビロードのうさぎ]

おこん

あなたに出会えたことを
私は嬉しく思っています

目が見えなく 占いをすればはずれてばかりの私の代わりに
あなたが恩返しだと いつも唱えてくれたじょうるり

たくさんの村の人達が
あなたの不思議な癒せるじょうるりで
どれだけ救われたことでしょう

あの時 本当に行かなければよかったと
お侍さんに脅されても あなたが「行こう行こう」と言ってくれても
どうして いつもは はずれてばかりの私の勘が
こんな時ほど当たってしまったのか
きっと 一緒に過ごしすぎてしまったから未来が見えてしまったのじゃないのかと

お城からの帰り道 たくさんのご褒美を乗せた馬の上
まさか こんなことが起こるとは知らず
いきなり襲ってきた背中への衝撃
あなたの叫び声 突然背中が軽くなってあなたの体温が消えた
目が見えない私は あなたの声を聞き手探りで探してやっと見つけた
一生懸命にあなたの為に唱えたじょうるり
でも あなたのように 上手には唱えることができなかった
それでも笑ってくれて それがどれだけ嬉しかったか
まだ生きていてくれたことが 本当に嬉しかったか

それなのに冷たくなっていく体が あなたの命のともし火が消えていくことを止められなくて
抱きしめていたあなたの温かさを感じられなくて 何もできない自分が悔しかった
やがて 草露のように目じりにためた涙と共に消えてしまった

私は 今でも覚えています
そして たくさんのあなたの仲間達に
あなたが教えてくれたじょうるりを忘れてしまわないように なくしてしまわないように教えています
あなたのような上手なじょうるりではないでしょうけれど
私なりの あなたから教えてもらったじょうるりを伝え続けているんです

今では村人達からは じょうるり長者やキツネ長者と言われてしまっていますよ
ねえ、おかしな話しでしょ


おこんへ 大好きでした
一緒にいられて 本当に楽しい毎日の日々でした
いつか 私もあなたのそばへ行く日が来た時は
おこんのじょうるりを また聞かせてね

[テーマ:おこんじょうるり]

遠き想い

この星の声を聞いた?

あなたを追って
あなたの背中だけを追って
いつか会えると信じて
ただひたすらに ただひたすらに
ここまで来た

真実がほしかったわけじゃなかった
あなたという真実がほしかったわけじゃなかった

時は無情に過ぎゆくだけだね
僕らの罪は消えただろうか

あなたの考え方 あなたのメッセージ
見つけるたびに心が軋みをあげてゆく
それでも

それでも あなたのことを尊敬していました

追いたかったのは あなたの心
追いたかったのは あなたの気持ち
真実なんていらなかったんだ
本当はさ


僕らの罪は死んだよ

[テーマ:PSO。当時流行りましたドリキャスのネトゲからですが、メインストーリー部分から。]

正義のヒーローは、今日もゆく!

きみが食べてもいいって言うから端っこを ちょっとだけかじってみた
とっても甘くて 匂いだけで いくらでも食べられちゃうね

でも きみを全部食べちゃったら 
ぼくは守ってもらえなくなっちゃうから きみの端っこだけにしとくよ

きみは ぼくらの正義のヒーロー
誰にも負けない勇気とハートの持ち主さ

困ったときは きみの名前を呼べば すぐ参上!
きみの仲間たくさんいるね
友達もたくさんいるね
みんなが きみのこと大好き

頑張るきみは世界中って言っても言いたりないくらい
ウルトラマンにも負けていない
みんなが大好き正義のヒーロー アンパンマン!

[テーマ:アンパンマン]

独白I

たとえ、それが
羊の皮をかぶった狼だったとしても
僕は好きだったと言えると思うよ

君と出会えたことは
僕にとって存在という言葉を
初めて認識できたことでもあったんだ

初めて僕から触れようと思えた
大事な人
ほかのみんなが
僕を嫌いでも
君だけは好きだって言ってくれる
たった一言の
「好意」という言葉

うれしかった
ただ本当にうれしかったんだ
あの時までは

僕の手が赤く染まるまではね

どうして君は
僕の手の中にいたときでも
笑っていられたんだろうね
ありがとう、なんて言葉
僕は聞きたいとは思わなかったのにね

生きていて欲しかったんだ

君のこと僕も好きだよ

[テーマ:エヴァンゲリオン。TVアニメ版]

独白II

裏切りが欲しかったわけではない
優しさが欲しかったわけでもない

それでも 温かった君の手
半端な気持ちのままの 温かい君の手
どちらか片方しか許されない
命なんてありはしなかったのに

でも君は それすらも手放した
僕の中に君という存在だけを残して
この手が消した君という存在

僕は絶叫する
奪いたかったわけじゃなかった
ただ
悲しかっただけだった
裏切られたことよりも 優しくされたことのほうが
悔しかっただけだった

時間が止まり
君は
消えた
僕の手の中から
深い
水底へと
消え去った

[テーマ:エヴァンゲリオン。TVアニメ版]

君にいつか伝えたい真実

一方通行のコール音
電話ごし 君の声
会える距離ほど遠くて

強気な君が見せる 時折の弱さ
誰よりも知っているよ
君が望んでいること痛いくらい分かるのに
つっぱねることでしか答えられず

僕のこの手で君に触れてあげることができたなら
どんなにかいいんだろう
まだ真実を話すには時が足りなさ過ぎるんだ


こんな僕を君はいつか許してくれるかい?

[テーマ:名探偵コナン。映画『時計じかけの摩天楼』]

優しく触れる気持ちの輪郭
ふわりと揺れる蛍の光

会いたいです
触れたいです

春に 秋に 冬に、と
あの夏だけが今もまだ

夏祭り 
心の距離  手と手を結ぶ繋いだ紐
お面ごし 君からの優しい口づけ そっと

触れたかった君の心
触れたかった君の肌
欲しかったもの全部 君が最期に残してくれた温もり

ふわり ふわり 蛍の光
思い出は いつだってここに

[テーマ:蛍火の杜へ]

終わりなき終わりの終焉に見た いつかの幻

君がいつでも笑っていられるように‥‥

望んだものは ここにはなくて
選び取ったものは 少しの希望

君がいるなら それだけでよかった‥‥

たとえ 自分を見ていてくれなくても


やがて 終わる世界の片隅で
そっと 君に触れていられるだけで幸せだって思えたんだから

[テーマ:同人PCゲーム『花帰葬』]

真紅の薔薇

認めて欲しかった
ただそれだけのことだったはずなのに
心の声は どこにも届かず

時間ばかりの呪縛に心は侵食され
僕が一番欲しかったものほど
淡い夢 殻から すり抜けてゆく

「首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)」
「首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)」
裏返しの心に響く魔法

悲しくて哀しくて
永遠に手に届かない光に憧れては手を伸ばす
自分では もうどうしようもないほどに汚れきってしまった心の在り場所

見つけてくれた君達だから
僕の本当の心を見つけてくれた君達だから
もう僕は迷うことをやめてもいいのかな‥‥

真紅の薔薇達に とっておきの魔法をかけて
さぁ 楽しいお茶会が始まるよ

[テーマ:ツイステッドワンダーランド。第一章リドル君オバブロ]

リスタート

ただいま、ありがとう
それは
最愛の君が残してくれた愛しい想いの箱

定められた未来地図
可能性は塗りつぶされてレールなんて存在無意味
欲しかったものはなんだったんだろうな
手に届くような「普通」は僕らには遠すぎて
ただそれだけの昔話

あの時も‥‥
あの時も‥‥
失った代償は僕には抱えられないほどに重すぎて
心の傷口を抉りこじ開けようと罪の扉が開こうとしている
インク染み ポタリどす黒く広がる心の綻び
弟と今度こそ一緒にいたいという夢 砕け

生者の地に交わることも叶わぬ その身
凍てつく監獄は再生を拒む

僕らが思い描いた夢は君が繋いでくれたから
僕の一歩は君が残してくれた君と歩むよ
不恰好だけど僕達なりの本当のスタートライン

だから、またね オルト

[テーマ:ツイステッドワンダーランド。第六章]

愛欲

すべての色を変えるほどの
それほどのパワーを あなたは持っていたんです
一瞬で落ちる恋なんてあるわけないと思うほど
どうしようもなく惹かれていく 俺の心

独占欲まみれでも それでもあなたが欲しい
自分の前だけで泣く あなたを見るたび
もっと欲しいと俺だけの色にしたくなる

それは まるで
赤く赤く熟す果実のごとく
何度でも味わいつくしたくなる

惹かれ合う 危うさあなたと共に
引き返せないほど あなたに溺れていく

[テーマ: 抱かれたい男1位に脅されています。]

どこかに繋がる扉

どこかに繋がる扉

二次創作詩ばかりが詰まってます。

  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-09-15

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. 魔法じかけのハッピーエンド
  2. 人魚うたかた幻想
  3. 片想いジュリエット —籠の中という世界の中で—
  4. 小さな小さな君に贈る花束
  5. ビロードのうさぎ
  6. おこん
  7. 遠き想い
  8. 正義のヒーローは、今日もゆく!
  9. 独白I
  10. 独白II
  11. 君にいつか伝えたい真実
  12. 終わりなき終わりの終焉に見た いつかの幻
  13. 真紅の薔薇
  14. リスタート
  15. 愛欲