日々のうた

待つためだけに生きをする朝

延焼を防いでファイアーウォール張る燃えるだけの恋ならいらない

電脳の中で愛された記憶を今もまだ忘れないでいる

あの夜のさしだしてくれた左手を友達として握ればよかった

あの夜の淡雪となりわが想い天へと帰れあなたの熱で

好きなひとに抱かれる夜しあわせの果てつとおもう寂しさもあり

夢にすらもてあそばれて朝がくる待つためだけに()きをする朝

疲れても僕らの体はガンダムで悲しい心乗せてたたかう

だきしめて刺してあげたくなるくらい生きることにおびえるひとよ

ひとりきりになりたかったわけじゃない安らげる場所ほしかっただけ

はじめてのまち

優しくてやさしくて少し残酷で想いびと悪気のないひと

磨きかたまちがったかな傷つけて心と体すりへらしてく

生きている意味を知りたくなるほどの平穏少し気の毒なくらい

本屋には夢のかけらが落ちていた過去今未来の夢のかけらが

終らせることはいつも難しいはじめることは簡単なのに

あたらしく生まれ変われた気がしてた雪の札幌はじめてのまち

都会だと安心できた誰も見ない人ごみの中ひとりになれる

足りないのはたぶん生きてくリアリティ稼いで食って笑える力

年とれば忘れてく別の生きものになってく空を翔けぬけてくよ

幸せかい?

愛してる愛がほしくてつぶやいた背中の熱より確信がほしい

胃の中はいっぱいなのにたましいがむさぼりたいと要求をする

さようならもう会えないの流星は青い炎に骨まで焦がす

動物はカゼひいたらどうするんだろ…とか思いつつ寝込んでいたり

恋人に語った夢も砂となりでも死ぬまでは握っていよう

手のひらをすりぬけていった人だから恥じないように暮そうと思う

いいテレビ携帯ネットも引いたって困り果てたら飢えて死ぬんだ

その瞳あきらめがちな色をしてそれでも何か信じているの

空っぽの部屋に座れば「幸せかい?」一年前の私が尋ねる

知らなかった昔にはもう戻れない制御しようと努力するだけ

君の温度にさよならをした

けんかしてできればすぐに謝りたいでもチャンスはもう二度と来なくて

現実家今は夢物語でもいい続ければかなう気がして

何千のふみを交わせば愛情と不安がつのる平安の味

酒飲めばただぼんやりと冷静に君との暮らし見回してみる

そこへ行く道は何万本もあってどれも険しくどれも愛しい

快楽に溺れるほどに悲しくて昔の藁をつかみ続けた

悩むとき額に汗する仕事して悩む自分を眺めてみたり

学ぶ女喰らう女添う女いろんな人が同居しています

目がさめてまだ指先に残ってる君の温度にさよならをした

羽がはえたら悪魔になれる

こんな夜にからまぬ長い髪をして立ちあがる人ヴィーナスみたい

はじきあい惹かれあってつながって消えにくい跡残していって

もう二度と朝が来ないよにする薬たまにほしいのに売ってないなぁ…

この体挫折と欲望ばかりでもゆるぎないものひとつ突き刺せ

傷つけて傷なめあってまた明日どこかへ続くらせん階段

家みせてすっぴんみせて肌みせて心の中はまだ見せないよ

優しくて天使みたいな芋虫も羽がはえたら悪魔になれる

猛獣使いの装備してきて

止まったらそこから腐ってく気がして動き続け吐き出し続けた

いい羽がはがれ落ちてしまっても上昇気流にまた乗りたいよ

よく似てて補いあえない二人です上りも下りも行けるとこまで

純粋な女が好きなら今度から猛獣使いの装備してきて

どこからか絡まりだした赤と青ほどけるまでは一緒にいよう

生きてれば隣の芝は青いけどうちにはうちの幸せがあり

いつまでも母なるものが大好きな男と彼を愛する女

姫旅に出る

神さまが与えてくれた居場所ならもう少しだけいられそうだよ

東京にたまには行こうと思うよ形あるもの失う前に

本当は姫なんだけど身をやつし短剣ひとつで姫旅に出る

最後には100%死ぬゲーム金と仲間と勇気がほしい

野の花は摘むとしおれてしまうから手にしたいけど見るだけにする

戦いに散った命も塵となり新たな星の母となるだろう

くよくよといつも考えすぎるからたまには人を信用してみる

保身して何か守ってるんだけど何のためだかわからなくなり

スプーンでホールケーキをつつきあい夢のあふれる誕生日だった…

悲劇でも喜劇でもなく結婚は自己中心を直す旅かも

一枚の絵

ダメもとででも少しだけ期待して凹みすぎない自分でいたい

履歴書に職歴書けば性格が透けて見えるような気のする

踏みしめる現実の先夢があるだから君と歩いてくんだよ

ベタだけど何度も見たい絵があって作り話が私を救う

友だちの作り方を学びたいいつでも少し引いてしまうので

悲しみにあふれる涙かわいたら心の傷も少し冷えるよ

君の眼の奥に残る一枚の絵になりたいと思うこともあり

晴れた日はうんざりだけど五月雨の降る朝に行く市立図書館

外見や内面よりも成分が似ているような気のする二人

人様を批判するのはやめにして自分のペンを握って描こう…

二度と手放されぬ本

背負ってる重い荷物は実は羽羽ばたかないから重いのかなぁ…

自分って思った以上に軽薄で思った以上に動きがにぶい

仕事柄マシンになる方がいいならできるだけいいマシンになろう

お話が迷いこんで来れるよう心の隙間空けて待ってる

つらいときお金があれば使うのに何もないとつらいだけだね

それぞれの在るべき場所へ帰りゆき我も母に手をひかれゆく

あの星は私と同じ揺れながら離れていても引かれあってる

ひとつだけたった一つでいいからやめずに続けられたらと思う

平凡な道を選んだはずなのに気づけば空を歩こうとして

神鳴らす雨にうたれ帰りつけば雲の切れ間に虹のかかりぬ

面倒で身を裂くような別れなら選ばない最期まで共にいる

地味だから滅多に買われないけれど二度と手放されぬ本のあり

本当の仕事大切な仕事は見えない場所で行われをり

コンビニも地上の星か閉まるまで死ぬまでずっと光り続けて

限られた鍵盤だから音楽は無限なんだと役者の云へり

マイナスイオン

陽炎が視界を灼いて我が天使大きな鎌を背負いて立ちぬ

私にも尻尾があればもう少し素直に人を愛せるのかな

お互いに違う人を好きになろう彼と彼女はそう誓いあう

涙なら人について流したい自分可愛さで泣くのは嫌だ

灰色のコンクリートの密林の狭間に昇る朝日も美し

喧嘩より真に人を冷やすのは絶望であり失望である

はしゃいでる高校生も年寄りになると思うとなんだか不思議

この部屋は何か壊れていくようなミシミシいう音がたまにする

雨の日はマイナスイオン雨の日は神の涙にうたれて歩く

命なら投げだせるのに苦しんで生きろと言われると耐えられず

妻になり家出をしても三時間情けないけどこんなもんです

昨日まで大切にされた商品も期限切れたらただのゴミなの…?

50億踏んだり蹴ったり泣き笑い終るまでは好きでいさせて

大人にも効く唄

どうしてもテレビを消せぬ夜中には大人にも効く唄を聴かせて

疲れてる寂しがりやも髪の毛を切ってもらうと少し元気に

何もない誰も何もやってこない二本の脚だけ与えられてる

祈るなら自分のことは忘れてひとのために祈りたいです

逃げていく日常に逆らいながら最後はのみ込まれていく身体

ときめきはもうない君の手を取れば力湧くよな面倒くさいよな

仕事とはお金もらって学ぶことだからやっぱり本当に厳しい

分別のある大人あきらめがちな大人がキレて怖いものなし

気ままなネコ科動物に

ごつごつと節くれだった指先もやさしく撫でる術を知ってて

CGは綺麗だけれど想像をかきたてる絵や話がほしい

ある程度達するまでは質より量ただ繰り返し叫ぶのみです

真っ青な夏の空より真っ直ぐな胸とお尻を見つめる瞳

無作為で愛想笑いも知らぬ児の口にも上る唄になれたら

猛禽か気ままなネコ科動物にできれば次はならせて下さい

奇跡なら毎日起きているのに受け止められぬ私のいびつ

立ち止まり大切なもの気づかせて何度でも見て何度も呼んで

中世に生まれたかったと彼はいう()としてすぐに死にそうだけど…

通り過ぎた選択肢たち

久しぶりさっくりやった指先に溢れる赤が生きてる感じ

王さまになったと同じやり方で僕はその座を蹴落とされてく

ときおり薄い涙が落ちるんだ画面の見すぎと言われるけど

満ちたりぬ気の毒なほど黒い眼はあるがままの孤独を映す

虫みたい狂うこともないだろう押し潰されて消えるだけなら

いい映画なぜ深夜しかやらないのさびしい夜をいやしてくれるの

それまでの常道変えるインパクトまとった嘘が舞い降りてくる

愛がない夢がなくてもいんじゃない生きてることは変わることだから

七色に弾けて消えた花火玉恋した後のふたりを教えて

世をうまず人を恨まず生きてきたあなたの顔が一番きれい

ひとりだと寂しすぎるが二人だとはかり知れないこの世の苦悩

どろどろと濁りながら青く甘いクリームソーダに溶ける世界

懐かしの曲が思い出連れてくる通り過ぎた選択肢たち

君よ幸せでいて下さい

規則的に生きていたら見られないこの朝焼けを夜なべして見る

フィクションで発散させていた夢を叶えようと駆けだす身体

口論と確認がへり膝まくら実りの秋の沈黙は金

誰にでもできる仕事をしていても青い炎を光らせている

私など毛ほども思い出さぬほど君よ幸せでいて下さい

駆けよってその手を取って抱きしめて我が遺体となりにし時も

がんばれない人も自分も許させて僕の居場所は君のいる場所

窓から見える星は光ってた

願い事かなえば少し恐ろしく愛は動き愛は哀しみ

冬に舞うひとひらの(ゆき)見んがためようよう夏を越える虫なり

もう少し触っていてと思うのにじっと眠りに落ちる君かな

愛されて感謝しながら欲しいなぁ…速い車としあわせな趣味

いつも少し寂しそうに笑うからその微笑みの向う側を見て

大人びてあきらめなくていいから叫んで走れ叫んで唄え

寝苦しい夢から醒めて思うのは夏の夜のほし帰りたい場所

あの部屋はたしかに汚かったけど窓から見える星は光ってた

つばさ得た君

やすみたい…こんなに休んでいるのに?精神が安まらないんだ…

こうやって浮かばぬ人は幾万も深い海の魚礁になった

守るべき明日を持たぬ男らの何が欲しくて人殺めるか

ケーブルに裸のままで繋がれた異空間が私を試す

金になる趣味がほしいがあまりない金を使ってこそ楽しきか

おのが身を信じはじめた瞬間に爪の先から輝いて見ゆ

あきらめや後悔すらも続かぬは短所なのか長所なのか…

善いものか悪いものかは他のひとが決めてくれるから大丈夫

十字架を逆さまにして剣にした使い終わればまた十字架に

不摂生続けているの魂が肉体を滅ぼそうとしてる

私の分にあった仕合せを見つけた気のする夕風涼し

つばさ得た君はすべてを失って生まれたままの肌で飛び立つ

没落貴族

中国の研修生のすばやさよその眼に映る明日は光るか

代りなどいくらでもいるこの黒は盤の上では意味をもつ黒

わがままな欲しがるだけの恋でした今はただ幸せをいのる

人生に一貫性を持たせたいスキル上げてレベル上げして

黒い闇白い闇が戦って今もどこかで夜の明けゆく

死なないで私の中で永遠にならないできっと笑っていてね

殺されず活かされもせずこの道は食うには困らぬありがたき罠

よのなかの労苦も知らでレールより飛び降りた果て没落貴族

自分だけを愛す人

やり方は知ってるんだね細うでのロマンチストは奥手顔して

全世界が世帯となりぬ新妻の出をへらすより入り増やさむか

遠国のよるべなき児を救ふなら母国の孤独すくひたまへ

温暖化38℃の夏が四季をうたった島を襲う

刑務所が福祉施設の代わりしてはみでた時のひとつの居場所

河川敷最後の砦ダンボール燃やす彼らの心よ貧し

そらに雲みどりに梢ほのおには墨また灰を合わせて清し

あなたなら私を必要としなくなる日がくることを信じていました

ただひとり自分だけを愛す人求める男を笑うものか

この惑星が私の墓場

あなたの手なんでそんなに綺麗なの?自分の手は汚さないからよ

身を売りて心を売りてされど尚思いは売らぬ思いは売らぬ

この惑星(ほし)が私の墓場墓石より生きてるひとのために祈って

かなしいことはいつもたくさんおこる耳を澄ませば祈るこえがする

戦場にゆきたいという人のありここを戦場にする人もある

努力しただから何だ?努力とは存在許す最低免許

本人は消えたつもりで遺る身の後かたづけも人だのみかな

遠くを見てもっと遠くを見て死ぬ日のこと生まれる日のこと

料理の上手い嫁

男のほしがる料理の上手い嫁というものを私もほしい

あなたの喜ぶ顔が見たいからもう少しだけやってみよかな…

ダメよダメよといわれる方が想像力をかきたてる

私の未来もこうならいいが夜明け前が一番暗い

本当に欲しいものは見つかった?優しい彼女と飾らぬ事実

たまには女にため息つかせるほど本気で働いてきてね

仏壇に写真があっていつでも手を合わせれば思い出せるね

一人の君と一人の僕が出会うとき世界の見方は変わるんだ

平成の長い嵐

大好きよ昔のことは忘れたの今みえるよあなたがみえる

運命など変ってもいい何かを変えようとして生まれてきたんだ

ファンタジックで現実的なさめないゆめを見ていたい

記録と記憶を少しいじって大すきなひと遊びましょ

くるったようにねむるよる何をしたら救われるのか知りたいよ…

とろとろとねぶる舌より柔らかなかわいた愛がほしい日もあり

せんそうはやっぱりしないほうがよい男のひとは繊細だから

平成の長い嵐のなかできみはぼくのこと好きかとたずねる

新雪の積りし朝

白銀の塵がすべてを古くしてブルドーザーも白亜の化石

新雪の積りし朝に学生のもったいなくて人跡をふむ

虐めるも虐めかえすも悲しきやあいするひとに見せられぬかお

かなしくて笑ひだしたる涙かな

たどりつく前に消えたる虹の橋

平安と平成に男装ひぬ

返り血を浴びないように遠くから引き金をひき人を否定す

ものごとにすべて終りはくるのだからなげきつかれて抱きしめてねよ

愛という名の銃口

囲われた小さき庭に住む犬の漆のように優しい眼をして

欲はない欲しくはないよ金じゃないふっと頷く友達のほし

殺されるだけじゃないよ軍人になるとは人を殺すということ

人のない孤独は寂し人のいる孤独はつらい割れんばかりに

そうやって愛という名の銃口をぼくの頭へ突きつけるのか

できるだけ大きなうつわになれ大きく虚ろなうつわになれ

寂しくて亡くなる人の墓建てむ時に参りて花供えてむ

幼子は小さき花の手をひらくすべての今を受けとめんとて

気がつくと必要とされてたいという悲しい病気にかかっていました

ひとにやさしく

湧きでても同じ水位を保ってる泉のような心でいたい

戻らぬときを戻せたならば あなたとふたり笑っていたい

戻らぬときも愛せるように 涙の河を泳いで渡ろう

民族が同じと見えぬ凛々しさよ百年前に生きてし顔は

散らばった星に名前のなけれども惑星のひとこれに名づけむ

ベガとぼくそれぞれに持つ銀河系

素直でも善と限らぬ嘘つくも悪と限らぬひとの世のうた

クレームをいいつつ買いに来てくれるお客様にはやっぱり感謝

ひとりでも万有引力身にまとう離れていても繋がっている

ひとにやさしくやさしくやさしくやさしく在りたいと願った

日々のうた

日々のうた

  • 韻文詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-08-13

Copyrighted
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Copyrighted
  1. 待つためだけに生きをする朝
  2. はじめてのまち
  3. 幸せかい?
  4. 君の温度にさよならをした
  5. 羽がはえたら悪魔になれる
  6. 猛獣使いの装備してきて
  7. 姫旅に出る
  8. 一枚の絵
  9. 二度と手放されぬ本
  10. マイナスイオン
  11. 大人にも効く唄
  12. 気ままなネコ科動物に
  13. 通り過ぎた選択肢たち
  14. 君よ幸せでいて下さい
  15. 窓から見える星は光ってた
  16. つばさ得た君
  17. 没落貴族
  18. 自分だけを愛す人
  19. この惑星が私の墓場
  20. 料理の上手い嫁
  21. 平成の長い嵐
  22. 新雪の積りし朝
  23. 愛という名の銃口
  24. ひとにやさしく